米ファストフード大手マクドナルドの看板=2024年3月、AP

 米ファストフード大手マクドナルドのジョー・アーリンガー社長は29日、過去5年間にメニューの平均価格が約40%値上がりしたと明らかにした。共和党が民主党のバイデン政権を批判するために主張した「値上がりに関する不正確な情報」に反論するのが狙いだったが、近年のインフレ(物価高)の深刻さがかえって浮き彫りとなった。

 アーリンガー氏は、2019年と24年の米国内の平均価格を比較。ビッグマックのセットは7・29ドルから9・29ドル(約1460円)、中サイズのポテトは2・29ドルから3・29ドル(約515円)、10個入りのチキンナゲットは4・39ドルから5・29ドル(約830円)に値上がりした。

 値上げ率はそれぞれ約27%、約44%、約21%。メニュー全体では平均約40%の上昇で、「人件費、食材、(包装の)紙などのコストが40%上がったのに関連している」と説明した。米メディアによると、19年12月以降の消費者物価全体の上昇率は約21%だった。

 連邦下院の共和党は今月21日、バイデン政権が発足した21年1月以降に「ビックマックのセットは103・5%、中サイズのポテトは167・6%、10個入りナゲットは95・5%値上がりした」とX(ツイッター)に投稿。11月の大統領選に向けてインフレへの不満をあおる思惑があり、ネット上で反響が広がったが、マクドナルド側は「不正確だ」と反論した。【ワシントン秋山信一】

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