記者会見には、生産農家やJA横浜の担当者も参加した=東京都内で2024年4月15日、高木諭撮影

 キリンビールが15日に発表した「氷結mottainaiプロジェクト」に、横浜市の特産「浜なし」が第1弾として選ばれた。規格外で廃棄される果物を「モッタイナイ果実」と位置付け、チューハイの原料として活用する取り組み。市内の生産農家やJA横浜の担当者も記者会見に参加し、「捨てられる果実に再び命が吹き込まれ、全国に届けられる。とてもうれしい」と話した。

 「浜なし」は、みずみずしい豊かな甘みが特長の横浜市の特産物だ。朝に収穫し、その日のうちに直売するため市場に出回りにくく、「幻の梨」とも称される。しかし、果肉の一部が半透明の水浸状となる「蜜症」になることが多く、食べられるのに廃棄されるケースも多かった。

 キリンビールは、プロジェクトの第1弾に向けて果実を選定する中で「みずみずしさと甘さがぴったり」と浜なしに白羽の矢を立てた。商品化によって、約2万2000個の廃棄削減を目指すという。担当したマーケティング部の山岡加菜アシスタントブランドマネジャーは「横浜はキリン発祥の地で、縁を感じました」と語った。

 記者会見に参加した生産農家の鮫島慎治さんと三橋憲一郎さんはそれぞれ「試飲の時、缶を開けた瞬間に『あっ、浜なしだ』と思った」「地元でも農協さんとともにPRしていきたい」と喜んでいた。【高木諭】

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