いま老舗百貨店や鉄道会社など様々な企業が「銀行サービス」の提供を始めています。中には“新幹線4割引”や“先行入場”など、ならではの特典がついてくるものも。
電車利用者には嬉しい“おトク特典”
いまや都市銀行をはじめ、地方銀行やネット銀行などを合わせると、国内だけでも100を超える銀行があります。
中でも注目されているのが、2024年5月から『JR東日本グループ』がサービスを開始した「JRE BANK」。日経トレンディの「2024年ヒット商品ベスト30」に選出されるなど、話題になっているんです!
40代女性(会社員):
「特典がすごくて。よく東北新幹線を使うけど、値段が全然違う」
30代男性(会社員):
「出身が岩手で、帰省で必ず新幹線を使うので往復で3万円ぐらい。4割引はかなり大きい」
「JRE BANK」では一般的な銀行サービスに加え、利用状況に応じて“おトクな特典”があり、預金額50万円以上などの条件を満たすと…
▼新幹線や特急含め“片道運賃・料金が4割引”になる優待割引券
▼普通列車のグリーン券(※モバイルSuica限定)
がもらえます。
他にも、ポイント利用時の割引クーポンがもらえたり、買い物でポイントが貯まるなどポイ活も充実。
こうした特典が話題となり、サービス開始から半年で42万口座を突破しています。
(※10月末までのデータ)
“先行入場”や“キャッシュバック”の特典も
企業の銀行サービスに詳しいエコノミストの崔 真淑さんによると、面白い銀行サービスは他にも!
例えば、プロ野球球団『北海道日本ハムファイターズ』の「F NEOBANK」。
口座を開設すると、“球場への先行入場”や、順位に応じて“キャッシュバック”など、ファンには嬉しい特典があるとのこと。(※キャッシュバックは一定の条件を満たす必要があります)
エコノミスト崔さん:
「本業にプラスアルファとして消費者に訴えかけているので、非常に面白い展開が起きている。1つの専門職があるからこそ、金融事業をしても花が開く」
「企業の銀行」実は既存銀行の“支店”
他にも航空会社や百貨店など様々な企業が行っている銀行サービスですが、どんな企業でも銀行を作れるのでしょうか?
崔さんによると、事業会社が1から銀行業務の免許を取得しようとすると、時間もお金も人もかかるので非現実的。そこで各社が利用しているのが…
エコノミスト崔さん:
「あくまでも“既存の銀行の支店になる”という形。これで既存の銀行の仕組みを活用させてもらう」
企業が新しく銀行を作っているのではなく、既存の銀行の一支店にすることで、預金や融資など銀行と変わらないサービスを提供しているのです。
これは、様々な銀行に関する規制緩和の一環で、
JR東日本グループの「JRE BANK」は楽天銀行の支店。(※ビューカードが楽天銀行を所属銀行とする銀行代理業者)
北海道日本ハムファイターズの「F NEO BANK」は、住信SBIネット銀行の支店です。(※NEOBANKサービシーズが住信SBIネット銀行を所属銀行とする銀行代理業者)
企業が“銀行”その狙いは?
様々な企業が銀行サービスに乗り出すのには理由があります。
エコノミスト崔さん:
「決済や購入など“消費者のデータ”が集まるので、次のマーケティングに活かせる」
企業は、有益な情報を得ることで今後の販売戦略に活かすことができ、
一方、消費者は自分のライフスタイルに合わせて、よりお得なサービスを受けることができるというワケ。
どちらもWin-Winなサービスで、今後も銀行サービスを提供する企業は増えていくとのことです。
(THE TIME,2024年12月3日放送より)
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