ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は12日、5営業日続落し、前日比475・84ドル安の3万7983・24ドルで取引を終えた。中東情勢の緊迫化で地政学リスクへの懸念が強まり、下げ幅は一時580ドルを超えた。ダウ平均が終値で3万8000ドルを割り込むのは1月24日以来、2カ月半ぶりとなる。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルなど米メディアが12日、イスラエルがイランからの報復攻撃に備えていると報じたことで投資家のリスク回避姿勢が強まった。中東情勢の緊迫化を受けて原油先物価格が上昇し、安全資産とされる金先物に資金が流入している。
ダウ平均はインフレの長期化懸念で米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始時期が遅れるとの見方から下落基調が続いている。地政学リスクへの懸念も加わり、「史上初の4万ドル台突破」期待が高まっていた3月下旬の上げ潮ムードは急速にしぼんでいる状況だ。【ワシントン大久保渉】
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