晴れたり、ざっと雨が降ったりという不安定な天気のときには、虹が出やすくなりますが、11月2日(土)に宮崎県内で見られた少し珍しい虹の写真が2件、視聴者からMRTに届きました。
MRTのテレビ・ラジオで天気情報を担当する野田俊一郎気象予報士に話を聞きました。

(視聴者からの質問)
大きな虹が出たのですが、鮮やかな七色がブレたような配色でした。どのような現象なのでしょうか?

野田俊一郎 気象予報士
11月2日(土)の午後4時に西都市で撮影された映像です。


少しわかりにくいかもしれませんが、普通の虹の下の方にも、「もやもやもや~」っと、ちょっと虹のような光が出ています。

はっきりと見えている部分は通常の虹の部分なのですが、その下の部分は、「過剰虹」とか「干渉虹」というふうに呼ばれるもので、シャボン玉や彩雲の虹色が出るときと同じような仕組みでできています。

普通の虹というのは、太陽の光が雨粒の中で反射して出てくるときに、光がわかれるのですが、この出てくる光が強めあったり、弱めあったりしてできるものが「過剰虹」と呼ばれるものです。


「過剰虹」がどのような時にできるかというと、比較的、この水滴の粒が小さめで、そして、粒の大きさが揃っているときに現れやすいといわれています。
かなりレアな現象をご覧になったと思います。

また、虹に関する現象について、別の質問もいただきました。

道路のそばの低い場所に虹色が横たわっているのは何?

(視聴者からの質問)
前方に虹のようなものが見えたのですが、何だったんでしょうか?

野田俊一郎 気象予報士
11月2日(土)に高鍋町で見られた現象の映像です。
道路を走っている車の横、道路のそばの低い場所に虹色が横たわっているのが、うっすらと見えます。

「これは何なんでしょうか?」とご質問いただいたんですが、ズバリ、これも虹です。

虹の高さは太陽との関係で決まっていて、太陽が差し込む線に対して、角度が42度のところにできるというふうに決まっています。

このため、太陽の位置が低いと、大きな高い虹ができるのですが、太陽が高くなっていくとどんどん低くて平べったい虹になっていきます。

ですから、夏の昼は、目線よりも下に下がって見えなくなるのですが、今から1月ぐらいにかけては、昼の太陽も低いので、こういう今回の映像のような平べったい虹が見えることがあります。


11月2日(土)の午後1時は、太陽の高さが41度ぐらいでしたので、ギリギリの高さに虹が見えたということになります。

※MRTテレビ「Check!」11月5日(火)・7日(木)放送分から再構成

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