診療所まで行かなくてもオンラインで結んで、離れた場所で医師の診察を受けられるオンライン診療の実証実験が、この程、鳥取県鳥取市佐治町で行われました。
自宅近くの余戸公民館に入ってきたのは、診察を受ける高齢の男性。
目の前にはタブレット端末とそれに繋がれた画面があります。
同じ頃、約5キロ離れた診療所でも、タブレット端末の前に医師が座っていました。
お互いの顔が映る画面を通して離れた場所で医師の診察を受けるのが、実証実験が行われたオンライン診療です。
患者は医師と会話しながら目の様子をカメラに向けたりして診察を受けました。
オンライン診療実現には鳥取市からのお知らせや防災情報、買い物などのサービスをオンラインで受けられる「スーパーアプリ」の実証実験が、この鳥取市佐治町余戸地区で行われていることが下地となりました。
回線は、地元ケーブルテレビの通信インフラが使われていて、クリアな映像と澱みない音声でオンライン診療が問題なく成り立ちました。
オンライン診療を受けた男性
「画面の向こうに先生がおられて、内科診療所で診て頂いている時と同じような感じで診察をして頂いて、とても便利だなと感じました。」
鳥取市佐治町国民保険診療所 三原周医師
「患者さんの表情だったり、状態、皮膚の状態だったり、むくみの具合とか、実際の診察に非常に近い形でできたのかなと。」
診察後に医師が出した処方箋に従い診療所内で薬の準備が終わると、配送業者に引き渡されました。
配送業者はスーパーアプリで買い物サービスなどを担っているアクシス。
薬の配送のために地域医療支援サービス「トリメディ」の仕組みを用意し、車で患者の元に直接届けます。
薬は自宅に見立てた余戸公民館まで届けられ、患者に手渡されました。
アクシス ソーシャルプラットフォーム部 竹内就人さん
「高齢の方が多いというところで、お薬の配送の需要が多いというところで今回取り組みをスタートさせました。配送というのがひとつの選択肢としてあるだけで、有意義なものになるのではないかと思っています。」
交通手段がなく、診療所まで行くのも一苦労という高齢者が特に山間部で増える中、オンラインでの診療や薬の配送という取り組みが大きな意味を持ち始めています。
鳥取市佐治町国民保険診療所 三原周医師
「昨年度水害だったり、毎年大雪とか、交通アクセスが難しい高齢の方がたくさんおられますので、こういったオンライン診療もひとつの、こういう地域の医療を続けていくうえでのひとつの選択肢になってくるかなと。」
鳥取市デジタル戦略課 山根寿彦課長
「手応えを感じたところではありますが、反面、高齢者の方に使って頂くとなると、やはりデジタルに疎いということもございまして、操作面というところをどうしていくのかというのは今後の課題で残ったかなと考えているところです。」
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