事件発生当時、現職の県議会議員だった丸山大輔被告が妻を殺害した罪に問われている裁判員裁判は、29日に、4つの論点の内の2つ目のテーマである「動機」についての審理を終えました。
取材している司法担当の小口記者に聞きます。

宮入キャスター:
裁判で丸山被告の様子は?

小口記者:
法廷で元不倫相手の女性が仲良くしている別の男性の話が取り上げられると、丸山被告は組んでいた両手の爪をたてるほど強く手を握りしめ、時折、ため息をついていました。

悲しい表情をしている時もあり、感情が明らかに見て取れたのは初めてでしたので、印象的でした。

宮入キャスター:
「動機」ですが、女性への証人尋問に注目すると、それぞれどのように主張したのですか。

小口記者:
検察側は丸山被告が女性との交際を続けるために、妻の存在が邪魔になったなどと主張しています。

被告と女性は2015年ごろに知り合い、2019年までおよそ4年間交際していたということです。

その後、連絡はほとんどなく、事件が発生した2021年も交際はしていない状況だったといいます。

丸山被告は事件の3、4か月前に「妻との離婚が決まった」と女性に伝えたといいます。

その後、事件直前の9月に入ると、今度は、女性との結婚を前提とした話を一方的にするようになりました。

そして、事件が発生し、妻が死亡した翌月には、頻繁に連絡が入るようになり、執拗に結婚を迫っていたと検察側は主張しています。

検察側は、この事件前後の丸山被告の言動は不自然で、妻を予期せず突然失った人間のものではないなどと指摘。

女性に対する異常な執着と、妻がいなくなることを待ち望んでいた被告の内心が、裏付けられることから、犯行の動機の一つになると主張しました。

ただ、殺害を裏づける直接的な証拠はありません。

弁護側は、殺害する動機はないと主張しました。

女性には事件が発生したころ、交際している別の男性がいて、丸山被告と結婚する気もなかったと話しています。

被告自身も、女性に交際・結婚を迫ったのも、あくまで気を引くためのものであり、もし、本気で結婚を迫っていたのであれば、妻を殺害する以前に、女性に交際していた男性と別れさせるなど、別の選択肢があったと主張。

検察側の主張は成り立たないと結論づけました。

宮入キャスター:
今後の裁判のスケジュールはどうなっていますか?

小口記者:
裁判は31日から「現場の状況」にポイントを絞って、審理が行われます。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。