2021年、新潟市 南区の自宅で妻と娘を殺害した罪など4つの罪に問われている男の裁判員裁判の初公判が開かれました。男は殺人の罪については認めたものの、起訴内容の一部を否認しました。

丸刈りのスーツ姿で法廷に現れた元看護士の渡辺健 被告 31歳。裁判では4つの罪に問われています。

その一つが殺人の罪。起訴状などによりますと、渡辺 被告は2021年11月、新潟市 南区の自宅で当時29歳の妻と当時1歳の娘の首をロープで絞めて殺害した罪です。

もう一つが殺人未遂。殺人事件発生のおよそ半年前、風呂場で水死させようとして妻に睡眠薬を飲ませた罪です。

妻は、薬を飲んだ後、車を運転し交通事故を起こしていました。

残る2つは窃盗と殺人予備の罪です。事件の2カ月前、妻を殺害するため当時勤務していた新潟市 南区の病院から塩化カリウム10本を盗んだとされています。

新潟地裁で行われた初公判で渡辺 被告は、「殺人」と「窃盗」の罪について「間違いありません」と起訴内容を認めました。

一方で、殺人未遂と殺人予備の罪について「殺そうとしたわけではない」などと述べ、起訴内容を否認しました。

冒頭陳述で検察側は、一連の犯行の動機について「不倫相手との関係を続けるため障害となる妻子を排除しようとした」と指摘。「睡眠薬が入った飲み物を妻が飲んだことを認識し、運転行為の危険性を想定していた」と述べました。

一方、弁護側は渡辺 被告は妻に隠れておよそ400万円の借金をして妻名義の口座などから流用していたと主張。

睡眠薬が入った飲み物を飲ませたのは、「妻を銀行口座の確認に行かせないようにするためだった」として殺意を否定しました。

裁判では睡眠薬を飲ませた際に殺意があったかどうかや、睡眠薬が入った飲み物を飲んだ妻が車を運転しようとした際に、被告にそれを止める義務があったかなどが争われます。

判決は、来月22日に言い渡される予定です。

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