戦後最短となり、異例の短期決戦となった今回の衆議院議員選挙。
「政治とカネ」が争点になり、青森でも自民一強が続いた小選挙区で、野党が躍進しました。

3区で立憲民主党の候補が初めて議席を奪いました。自民は1区と2区を死守しましたが、危機感が広がりました。

“保守王国”青森での戦後最短・異例の短期決戦

自民党が2012年以降、県内で衆議院の小選挙区の議席を独占してきた保守王国・青森。1区は津島淳氏、2区は神田潤一氏が当選を果たしましたが、長く守ってきた3区の牙城が崩れました。

政治経験がなく、選挙初挑戦となった立憲民主党の新人・岡田華子氏が当選を果たしました。

青森3区 初当選 立憲・新 岡田華子 氏(27日取材)
「3区で無謀な戦いをしかけた私を、応援してくださって本当にありがとうございます。みんなで、青森県、日本を変えていかなければなりません。そのお手伝い、私、死ぬ気でやります」

岡田氏が挑んだのは、自民党の前職・木村次郎氏です。祖父から3代続く政治家一家で、衆議院の議席を失うのは父・守男氏が1983年に落選して以来、41年ぶりです。

木村次郎 氏 敗戦の弁(27日取材)
「ご期待に応えることができず、深くお詫びを申し上げます。大変申し訳ございませんでした」

「政治とカネ」が争点になった選挙戦で、木村氏は政治資金収支報告書への不記載があり、訴えは思うように浸透しませんでした。これに対して、岡田氏の陣営は、政治資金問題は応援弁士が強く批判し、本人は生活者への支援を押し出しました。

「青森3区」当選から一夜…

岡田華子 氏(19日取材)
「暮らしを良くするために何かしなければいけない。その声に私は応えていく。皆さんの力を貸してください。なんとか私を国会に送ってください」

選挙戦では、終盤にかけて自民党への逆風が強まり、青森3区で投票をすませた人を対象にした出口調査では、自民党の裏金問題を考慮したかを聞いたところ、全体の54%が考慮したとしていました。

弘前市の有権者
Q.何を基準に投票したか?

「今までの業績」

「自民党の不正でお金の問題があったのが一番」

岡田氏は大票田の弘前や、五所川原など市部で訴えを浸透させ、8万6000票あまりを獲得。木村氏に1万票以上の差をつけて当選を果たしました。

そして、一夜明けて岡田氏は「やっと仕事ができるチャンスをもらえた」と笑顔を見せながらも重責に気を引き締めていました。

岡田華子 氏(28日取材)
「今回の選挙の結果で、地域を二分したように思っている。地域の分断が生まれないように、分断が政治の停滞、市政・県政・国政の停滞にならないように、関係づくりを深めていくところから始めていければいい」

木村家の牙城に風穴を開けた岡田氏は、衆院選で託された有権者の声を地域に根差した活動で国政へ届けたいとしています。

青森県関係の当選者は…? まとめ

今回の衆院選で青森県関係の当選者は6人。全国と同様に自民党が苦戦、立憲民主党が躍進したほか、新風も吹きました。

自民党はいずれも前職の青森1区の津島淳氏、2区の神田潤一氏、比例東北で江渡聡徳氏が当選を果たしましたが、3区の前職が敗れ、公示前4議席から3議席に減らし、2012年の衆院選から続いてきた県内の議席独占が崩れました。

一方、立憲民主党は青森3区で新人の岡田華子氏が初当選。小選挙区では敗れたものの青森1区で次点となった升田世喜男氏が比例東北で返り咲きを果たし、2議席を獲得しました。

また、れいわ新選組は新人の佐原若子氏が比例東北で初当選を果たし、国政選挙では東北で初めての議席獲得となりました。

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