アメリカで発生した「O157」による集団食中毒。マクドナルドのハンバーガーが原因とみられていて、大手飲食チェーンにも影響が広がっています。
■「『生タマネギのスライス』が原因の可能性」 他のチェーン店にも影響
南波雅俊キャスター:
アメリカのハンバーガーチェーン「マクドナルド」で集団食中毒が起きました。
CDC疾病対策センターによると、「クォーターパウンダー」が原因とみられています。以前、日本では発売されていましたが、現在は発売されていません。
腸管出血性大腸菌「O157」に、49人が感染し、1人が死亡、10人が入院という状況です。
アメリカのマクドナルドは、「『生タマネギのスライス』が原因の可能性がある」と発表しています。
ロイター通信によると、同じ業者から一部、生タマネギを仕入れていた「バーガーキング」と「KFC」と「ピザハット」は、生タマネギの提供を停止しているということです。
別の会社から生タマネギを仕入れていたそうですが、そうではないところも、そうだったところも、提供停止している状況です。
「O157」の主な症状について、▼下痢、▼激しい腹痛、▼血便など、重症化すると死に至るケースもあると、国立感染症研究所のホームページに記載されています。厚労省によると、牛などの家畜の糞便などにひそんでいるということです。
なぜ野菜についていたのか、農水省のホームページによると、たい肥、農業用水などを介して、農産物を汚染する可能性があるということです。
アメリカのマクドナルドは、「タマネギはスライスされ、個別の袋に詰められた状態で店舗に送られる」としています。(米NBCSより)
考えられる原因について、食品問題評論家の垣田達哉氏は「洗浄が不十分だった可能性がある。あるいは人の手を介して付着した可能性がある」とみています。
また、日本のマクドナルドは、「タマネギに関して輸入はしていなく、厳格なチェック体制のもと販売しているので問題ない」などと発表しています。
日比麻音子キャスター:
思い返すと、コロナ禍は世界的に手指消毒を当たり前のように毎日行っていました。そのあたりの意識も緩んできているところもあるのかなと思います。
歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
意識的には、コロナ禍のときが一番そういう意識が高かったかなと思います。自分も少しなおざりになっているかなと思います。
■「涼しさの落とし穴」10月は食中毒最多
南波キャスター:
店舗ではなく、個人でも注意できることがあります。
厚生労働省「食中毒統計」によると、2019年から2023年までの5年平均で、食中毒の発生件数は10月が一番多くなっています。
秋の味覚で言うと、魚ではアニサキス、キノコでは毒キノコに接する機会が増えてきます。
食品問題評論家の垣田達哉氏によると、「涼しさの落とし穴がある。温度管理が不足したり、免疫力の低下もある」としています。
温度管理では涼しくなって弁当などに保冷剤を入れなくなったり、免疫力では寒暖差や季節の変わり目などで体調を崩したりと、本来感染しても発症しないであろう菌も発症してしまうことがあるそうです。
対策について、厚労省によると「O157」や「サルモネラ菌」、「カンピロバクター」などの食中毒の菌の多くは、75℃以上で1分熱せば死滅するということです。
ポイントは、▼一度冷めたら再加熱すること、▼電子レンジなどで温める時は時々かき混ぜる。下のほうが冷えている可能性もあり、かき混ぜることで全体をしっかりと加熱することが重要になってくるということです。
■生野菜への対策は「つけない」「増やさない」
南波キャスター:
生野菜への対策について、食品問題評論家の垣田達哉氏によると、「つけない」という点として、▼肉と魚はビニール袋などで小分けにすること、▼手洗いをしっかり行うこと、▼まな板・包丁・調理用手袋は使いまわしをせず、使い分けることも重要になるそうです。
「増やさない」という点では、▼買ってきたらすぐに冷蔵庫に入れること。常温で置いておくと、すぐに菌が増えるということです。▼残り物の野菜をもう一度洗うこと。全体を洗っていたとしても、冷蔵庫に入れて保存し、再度使うときには、もう一回しっかりと洗うということで、増えてきた菌を少しでも減らしていくという対策が重要になるということです。
歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
そもそも、1680年ごろにレーウェンフックが菌を見つけるまでは存在を知らないから、それ以降の歴史になりますよね。
日本人は知ってか知らずしてか、竹の皮でおにぎりを包むなど、そういう知恵みたいなものはいろいろあったみたいですね。
日比キャスター:
その知恵をアップデートして、この秋の時期だからこそ油断をせず、気をつけていきたいです。
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<プロフィール>
今村翔吾さん
「塞王の楯」で第166回直木賞受賞
歴史・時代小説家
30歳までダンス講師
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