首都圏を中心に相次ぐ“闇バイト”強盗、多くの人が大丈夫なのかと不安になっているようです。比較的安全性が高いと言われてきた「マンションの安全性」、そしてマンションの場合には、どんな所に注意すればよいのでしょうか。

■マンションはホントに安全? 空き巣は小窓から"こじ開けて"侵入も

加藤シルビアキャスター:
首都圏を中心に相次いでいる“闇バイト強盗”。多くの方が不安になり、警備会社への問い合わせが急増しているそうです。

警備会社のセコムでは9月と比べて問い合わせが増えたといいます。▼何か異常があったときに家に駆けつけてくれる『ホームセキュリティ』は約11倍、▼家に侵入させないようにする『防犯ガラス・フィルム』は約22倍に急増しているということで、その関心の高さがうかがえます。

セコム担当者は「一軒家だけではなく、マンションにお住まいの方の問い合わせもあり、不安になっているようです」といい、マンション住人の防犯意識が高まっています。

元神奈川県警 捜査一課長 鳴海達之さんは「マンションで最も警戒すべきなのは空き巣」だといいます。

警察庁の令和5年度の調べによりますと、空き巣の認知件数は▼一戸建て住宅 約8000件 ▼マンション・アパートも約3800件あったということです。

マンションではトイレなどにある小さな窓や、可動域の狭い、小さい窓から侵入されたケースもあるそうです。

日比麻音子キャスター:
このような場合、どのような対策をしていいのか悩みます。

元神奈川県警 捜査一課長 鳴海達之さん:
皆さん通気のために窓を開けていると思いますが、小さい窓というのは壊して、こじ開けて入られてしまいます。「窓を開けていると空き巣に入られますよ」という一つの例として、やはり閉めておくべきだと思います。

日比キャスター:
涼しくなってきたので換気をしようと窓を開けっぱなしにしがちですので、気をつけたいですね。

■マンション侵入の驚き手口 高階層も油断できない!

さらに気をつけたいポイントが“侵入経路”です。

オートロックがついているマンションでも『共連れ』という、住人の後ろにくっついて入ることで、オートロックを突破し、中に入ってしまうケースがあります。さらには植木や雨どいなどを伝って上に登って、侵入するケースもあるようです。

また、立ち並ぶマンションとマンションの狭い隙間を両手足を使ってよじ登り、部屋に侵入してしまうこともあるそうです。

元神奈川県警 捜査一課長 鳴海さんに伺ったところ、背中をマンション側に、足を反対側のマンション側にくっつけてよじ登っていくようなこともあるということです。

元神奈川県警 捜査一課長 鳴海さん:
足の力が強いので、そのように登るのが楽だと思います。

加藤キャスター:
また、上の階の部屋に侵入するため屋上からロープなどを使って侵入する『下がり蜘蛛』という手口もあるそうです。

日比キャスター:
住民はどのように対策をすればよいのでしょうか。

元神奈川県警 捜査一課長 鳴海さん:
外から見て、明らかにベランダの窓が開いているのは危険です。出かけるときは全部施錠して出かけるのがベストだと思います。

日比キャスター:
他にも犯人が外から見て狙いやすい家の特徴はありますか?

元神奈川県警 捜査一課長 鳴海さん:
明かりが点いていないのに窓が開いている状態です。これからの時期は日没が早くなりますから余計目立つようになります。

歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
『下がり蜘蛛』という手口は、作業着姿であれば工事作業に見えます。堂々とやられると盗みに見えないかもしれません。

元神奈川県警 捜査一課長 鳴海さん:
警察官や盗犯刑事は上を見ることがあるのですが、一般の人は上を見ることがあまりないので高所は盲点だと思います。

■最近の空き巣はSNSチェック 個人情報が漏れる投稿は?

加藤キャスター:
最近の空き巣は近代化しているようです。鳴海さんに注意すべきポイントを聞きました。

【最近の空き巣はSNSをチェック 】
・「旅行中です」は投稿NG→不在を知らせていることに
・「高価なモノの写真」も投稿NG→家に金目のものがある
・写真の解像度を下げる→カギの製造番号が写っていると合鍵の作成が可能
・写真撮影時に“位置情報サービス”をオフにする

日比キャスター:
一連の強盗事件では事前に電話をして「検査します」「調査します」と偽って情報を集めていることがありました。SNSも気をつけた方がいいですね。

元神奈川県警 捜査一課長 鳴海さん:
「旅行中です」は間違いなく駄目です。SNSは簡単に使うことができる一方、相手もよく見ているんだということを意識の中に入れておいていただきたいです。

山内あゆキャスター:
一つ一つ落とし穴があるかもしれないと思っていかないといけませんね。

歴史・時代小説家 今村さん:
物騒ですよね。注意をすることが普通だと構えていくことを続けていかなければなりませんね。

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<プロフィール>

鳴海達之さん
元神奈川県警捜査一課長
組織犯罪対策本部長や川崎警察署長を歴任

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