2023年1月に発見された彗星「紫金山・アトラス彗星」。10月13日の最接近以降、明るさも、星空の中の位置も、日々移動させながら太陽からも地球からも遠ざかっています。10月いっぱいは、双眼鏡や望遠鏡で引き続き観察することができそうです。観察できる位置などみていきます。

国立天文台によりますと、「紫金山・アトラス彗星」の地球への最接近は日本では10月13日。この時の彗星と地球の距離は、約7100万キロメートでした。

長崎県佐世保市でも、16日午後6時半、スマートフォンのカメラできれいに撮影することができました。目視で探してもよく見えませんでしたが、携帯のカメラで写すと尾を引く様子まで、意外にもきれいに撮影できました(iPhone15)。右下の光る塔はハウステンボス。左下の明るい星は金星です。

電波塔とアトラス彗星

NBC長崎放送で天気情報を伝えている気象予報士、平地真菜さんが16日午後7時頃に長崎市で撮影した写真にも、その姿がはっきりと映りました。使ったのはAPS-Cセンサーの一眼です。電波塔がある稲佐山(標高333m)との共演です。(「画像を見る」でみることができます)

どこで見える?

国立天文台によりますと、10月21日~31日頃にかけては、夕方の空でやや高くなり、低空のもやなどの影響をうけにくくなります。ただし、彗星自体は太陽からも地球からも遠ざかることで、約3等から6等程度と暗くなり、暗い空であっても肉眼で観察するのは少しずつ難しくなるということです。双眼鏡や望遠鏡では、引き続き観察することができそうだということです。

紫金山・アトラス彗星の「見える位置」と「明るさ」は次の通りです。(日の入り1時間後、東京の場合)
10月21日 17時58分 西南西30度 2.5~4.5等
10月24日 17時54分 西南西35度 3~5等
10月27日 17時51分 西南西38度 3.5~5.5等
10月30日 17時47分 西南西39度 4~6等

国立天文台によりますと、彗星は太陽系の外側にある氷微惑星の集まり、「オールトの雲」から来たと考えられています。ゆくゆくは太陽系の外に出て行き、二度と戻らないと推測されているそうです。

もう見ることができないと推測されている「紫金山・アトラス彗星」。さよならを前に、天体ショーを楽しんでみてください。

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