関東で相次ぐ強盗事件。
狙われないためには?もし侵入されてしまったら?
効果的な防犯対策について、元警視庁警視の櫻井裕一氏に聞きます。

強盗事件の多発で「防犯対策」に変化

『ひるおび』でLINEアンケートを行ったところ、強盗事件の多発で防犯意識が高まったという人が多くいました。

50代
「玄関にはセンサーライト。1階の窓には補助錠をつけている。強引に入ってこられたら対処ができないので怖い。」

40代
「今まで閉めていなかった雨戸を毎晩閉めるようにした。家の外の灯りを一晩中つけたままにするようにした。今後窓の防犯アラームを設置予定」

40代
「閑静な住宅街で夜は人通りも少ないので、数年前からセンターライトと防犯カメラを設置しているが、追加で家の裏にも防犯カメラをつけた」

70代
「安心のために新たにホームセキュリティに加入した」

ホームセキュリティの「セコム」には問い合わせが急増しており、防犯ガラスやフィルムに関しての問い合わせは約20倍、ホームセキュリティについての問い合わせも約8倍となっています。
「セコム」コールセンターの来須センター長は、
「導入している方からも『死角がないか?』『セキュリティの強化をしたい』という連絡が非常に増えている」と話しています。

ハンズ新宿店では、防犯グッズの売り場を拡大。
直近1か月の売り上げは、前年に比べ防犯フィルムが約18倍。センサーアラームは約7倍となっています。※在庫状況は店舗に要問合せ

狙われないためには?

恵俊彰:
今、誰が狙われるかわからない状態ですね。

元警視庁警視 櫻井裕一氏:
今回の犯行は、犯行グループが「闇名簿」を見ながらターゲットを決めていますので、「闇名簿」に乗ってしまうと誰もがターゲットになりうるということです。

「闇名簿」などに使う個人情報の入手経路としては以下のものが考えられます。

▼営業を装った来客や電話
▼架空請求などの詐欺
▼企業の情報漏えい
▼SNSでの情報発信(高価なものを買った、こんな車に乗っているなど)
▼飲食店や井戸端会議での資産の話や自慢話

恵俊彰:
どこから漏れるかわからないですね。
今回の事件でも、特徴の一つに例えば水道管が漏洩する可能性があるんでちょっと調べさせてくださいとか、骨董品の買い取りであったりとか、前もって何か調べに来ているケースもありますよね。

元警視庁警視 櫻井裕一氏:
下見と一緒に情報を取ることがあるんです。
来たときには絶対に家に入れちゃ駄目ですね。「うちはいいです」と断る。
話をしちゃうといろいろ情報が取られてしまうので、もう最初の時点でシャットアウトするのが一番だと思いますね。

恵俊彰:
とにかく家に約束をしていない連絡があった場合は、もう答えないということですね。

“闇バイト強盗” 大事なのは「時間稼ぎ」

防犯対策には3つのキーワードがあります。
それが、「音」「光」「人の目」。

音・・・人が踏むと音が出る砂利
光・・・人が通ると光るセンサーライト
人の目・・・防犯カメラ
などの防犯対策が効果的です。

櫻井氏はこれらの対策について、
「通常の侵入者には有効だが、“闇バイト強盗”は強行してくる。大事なのは、時間を稼ぐこと」だと言います。

では、どのぐらい時間を稼げばいいのでしょうか。
警察白書によると「110番通報を受理して警察官が現場に到着するまでの所要時間」は、2021年の平均で8分24秒です。

また、窃盗などの犯人が「侵入を諦めるまでの時間」を見ると、2分以内が17.1%、2分〜5分が51.4%と、5分以内に侵入できないと約7割が諦めることがわかっています。

恵俊彰:
8分ってけっこう長いよね。
夜中、何か音がする。まずは警察に連絡をして、どこかに隠れるんですかね。

元警視庁警視 櫻井裕一氏:
その通りです。だから結局防犯グッズで時間を稼ぐということが一番大事なんですね。
例えば窓を割るのに、すぐ割れちゃうとすぐ入ってきちゃうんで、入れないように対策をしっかりすると。
変な音がしたなと思った時点で、110番通報する。
110番通報して、警察官の到着まで8分かかっても、侵入に5分かかっていれば、その3分後に来るんで、犯人と警察官が鉢合うのをちょっと待つと。
また、例えば侵入されないようにするためには、雨戸を閉めるのがいいですね。
雨戸を完全に閉めてもらえば、それを開けることから始まりますんで、それは大事なことだと思います。

恵俊彰:
明かりがついたりとか、砂利で音出すとかありますが、本当にそれで止まるんですか?

元警視庁警視 櫻井裕一氏:
普通の強盗であれば、灯りや防犯カメラがついていたら諦める者もいっぱいいます。でも今回は指示役から、「この家をやれ」と言われているので何でもやるんですよね。なので時間を稼ぐというのが大事です。

防犯グッズには、窓に貼る「防犯フィルム」や、強度の高い「防犯ガラス」などがあります。
防犯性の高い建物部品であることを示す「CPマーク」がついているものがおすすめです。

弁護士 八代英輝:
破るために大きな音がするということで、近隣の人にも気づいてもらえる可能性が出てくることがアドバンテージかなと思います。

ただ、不審な物音がしたときに注意をしてほしいことがあります。

もし侵入されてしまったら

▼不審な物音がしても見に行かない
▼110番通報して警察を待つ
▼携帯電話は通話中にしておく
▼鍵のかかる部屋やトイレに逃げ込み身を隠す

それでも強盗と鉢合わせてしまった場合は、抵抗せずにお金などを差し出すことを櫻井氏は勧めています。

恵俊彰:
不審な音がしても、なかなか110番するのは躊躇しちゃうと思うんですが・・・

元警視庁警視 櫻井裕一氏:
今は大丈夫です。家を何か叩いているとか、それだけでも結構なので110番通報していただければ、今は警察官が臨場してくれます。
もし入られてしまったら、鉢合わせるとすぐ殴ってきますので、やっぱり命を一番大切にしてもらいたいと思います。

コメンテーター 副島淳:
これ、相当意識しないと難しいですよね。普通のちょっとした音でも、夜怖くて起きたら見に行っちゃいますから。
携帯は夜には絶対手元に置いて、自分の家の中で鍵がしっかりかかるところを確認しておいて、もしもの場合には隠れる。

元警視庁警視 櫻井裕一氏:
(強盗は)寝てると思って部屋にすぐ飛んできます。だからトイレに隠れるというのがいいと思います。

(ひるおび 2024年10月24日放送より)
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<プロフィール>
櫻井裕一氏
元警視庁警視
警視庁入庁後一貫して組織犯罪対策に従事
組織的に行われる凶悪事件 詐欺事件などを長年指揮

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