甲府市役所で男性職員が自ら命を絶ったのは長時間労働が原因だったとして、遺族が市に損害賠償を求めた裁判の判決です。
甲府地裁は市の過失を全面的に認め、およそ5800万円の支払いを命じました。
この裁判は、2020年1月に甲府市役所職員の向山敦治さん当時42歳が勤務先で自ら命を絶ったのは長時間労働などによる精神的ストレスが自殺の原因だったとして、遺族が甲府市におよそ8000万円の損害賠償を求めたものです。
裁判では遺族側が月200時間を超える時間外労働を適正に把握していれば自殺は未然に防げたと主張したのに対し、甲府市側は業務内容は能力を超えておらず、死亡との因果関係はないなどと反論していました。
22日の判決で甲府地裁は職員の勤務時間を適正に把握できる体制を構築すべき義務を怠ったなどとして長時間労働と自殺の因果関係を認めました。
そのうえで甲府市におよそ5800万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
原告 向山敦治さんの父 向山隆さん：
「私たちの立場、心情に十分配慮したうえでの判決だと感じている」
原告の弁護人 松丸正弁護士：
「全面的な市の責任を認めた判決となった。この判決は あたりまえの判決」
判決を受けて、甲府市の樋口雄一市長は、「判決文の内容をこれから精査し今後の対応を検討してまいります」とコメントしています。
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