9月に行われた相撲の世界選手権で優勝した青森県鰺ケ沢町出身の長谷川理央さん。
高校時代から思い描いた“世界の頂点”をつかんだ大学生は、自ら活躍する姿で女子相撲の普及を目指しています。
「世界一になるためだけに生きていた…」女子相撲世界女王になった21歳
木造高校の相撲場で稽古に励む高校生。その傍らで、母校の後輩を静かに見つめるのが長谷川理央さん(21)、慶応大学3年の現役相撲選手です。
大学初の女子相撲選手となった長谷川さんは、10月8日にポーランドで行われた世界選手権の中量級で優勝。2回目の挑戦で世界の頂点に立ちました。
女子相撲世界一 慶大3年 長谷川理央さん
「世界一になるためだけに生きていた感じだったので、それがやっぱり簡単なことじゃなかったなと思うので、そういうのが込みで結果に結びついたのかなと思うとうれしかったですね」
県内でも、相撲が盛んな鰺ケ沢町出身。小学1年生で競技を始めると、高校時代は休部状態の部を再開し、唯一の部員として活動をつづけました。
「将来性がないという理由で、相撲をやめていった選手もたくさんいた」
コロナ禍で大会がなくなる中、競技を続けてきた思いを当時、こう口にしています。
長谷川理央さん(当時木造高校3年)
「将来性がないという理由で、相撲をやめていった選手もたくさんいた。そういう選手を近くで見ていたので、相撲をしたいのに離れないといけない選手を1人でも少なくしたい」
高校時代から競技普及への思いを強く持っていた長谷川さん。
この日は自身と入れ違いで入部した後輩に、指導する場面もありました。
女子相撲世界一 慶大3年 長谷川理央さん
「会うたび会うたび体もがっしりしていて、成長を感じる。教えられることはそんなにないけど応援したい。がんばってほしい」
本人は謙遜しますが、後輩たちにとってはあこがれの存在です。
木造高校相撲部2年 澁谷太陽さん(17)
Q.一言でどんな先輩?
「強くて優しい先輩です。とても誇りに思いますし、がんばれる糧になるのでとてもありがたいと思っています」
世界の『SUMO』を目指して―
アマチュア相撲を統括する日本相撲連盟によりますと、国内の競技者は約5000人のうち女子選手は10分の1の400人。県内では、長谷川さんのほか世界を舞台に活躍する今日和さんや、2024年の高校選手権で初代女王に輝いた新井田未徠さんなど有望な選手を輩出していますが、それでも活躍の場が限られているのが現状です。
長谷川さんは、国際大会で結果を残して「女子相撲」の魅力を届けることが競技の普及にもつなげられると信じています。
女子相撲世界一 慶大3年 長谷川理央さん
「女子が男子と同じような扱い、試合が増えてほしい。五輪競技に相撲がなってほしい。してほしいと今年の五輪を見てあらためて思った」
世界の『SUMO』へ―。
長谷川さんは挑戦を続けます。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。