2022年11月に知人の男性を殺害し遺体を埋めたなどとして逮捕・起訴された男の裁判員裁判が17日、仙台地方裁判所で始まった。初公判では男が犯行に至るまでの経緯が見えてきた。

2022年、年の瀬に発覚した事件

事件が発覚したのは、年の瀬も押し迫った2022年12月30日夜。宮城県警は急遽、会見を開き「死体損壊、死体遺棄事件」で容疑者2人を逮捕したことを発表した。

逮捕されたのは住所不定・無職の前田広樹被告(32)と山口優被告(33)。
※住所や職業は起訴時、年齢は2024年10月17日現在のもの

前田広樹被告と山口優被告

2人は前日、「話したいことがある仙台市内で死体を遺棄した」などと青森県警察署に自首してきた。

起訴状によると2人は、2022年11月仙台市青葉区の自宅アパートで知人で当時22歳の男性の首をタオルのようなもので締め付け、殺害。遺体をチェーンソーで切断しスーツケースに入れ若林区荒浜地区に遺棄したとされている。

事件から約2年、ようやくはじまった前田被告の初公判

10月17日。仙台地方裁判所で始まった前田被告の初公判。車イスに乗せられた状態で入廷した前田被告。弁護人によると逮捕後に心不全を起こしたという。黒髪で短髪、紺の上下のジャージ姿で手の甲や指、首には刺青が入っているのが確認できた。

また、前田被告は両耳が難聴で、裁判は文字通訳を伴う形で始まった。傷害、強要、殺人、死体損壊・遺棄、恐喝に加え詐欺の罪に問われている前田被告は起訴内について「間違いない」と答えた。

被告らと被害者の関係性

本籍は山梨県南アルプス市の前田被告。中学卒業後、職を転々。共犯の山口優被告とは4年間にわたり交際していて仙台市青葉区のアパートで同居していた。

前田被告は被害者の男性(当時22)が働く仙台市青葉区国分町の飲食店に通い、親交を深めていった。難聴の自分に優しく接してくれる佐藤さんを良く思い、相手からも「アニキ」と呼ばれるなど慕われていた。

検察側の冒頭陳述で明らかになった殺害までの経緯

2022年7月頃になると、前田被告は山口被告と同居する自宅アパートに被害者の男性を頻繁に連れ込むようになり、3人で生活するようになる。これを山口被告は快く思っていなかったという。

3人での生活はすぐに破綻。2022年8月、前田被告は男性が「自分の障害をバカにしている」などと伝え聞き、そのことに腹を立て佐藤さんに暴行を加えるようになる。また、男性にウソをつかせ、男性が父親や友人から借りた金を巻き上げていた。

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