岩手県奥州市の花き農家が今、レモンの栽培に力を入れています。
その名は「E‐レモン」。井丸キャスターが取材しました。
奥州市江刺にあるIEKかんの花卉です。
フリージアやユリなどの温室栽培を手掛け、今はスプレーギクが出荷最盛期です。
そんな花々が育つハウスの他に、岩手では珍しいある作物が育てられているハウスもあります。
(井丸キャスター)
「失礼します。わあ、見てくださいたくさん実がなってます。緑色してますがレモンですね」
黄色く色づく前の、緑色のレモンがたわわに実るハウスの中。
手掛けるのは、菅野達也さん。
4年前に友人の勧めでレモン栽培をスタート。
苗木も含め、1200本を管理し、育てたレモンを「E‐レモン」と名付けて4品種を出荷しています。
(菅野達也さん)
「江刺のEをとってE‐レモンってしたんですけれども、まあ良いレモンだよと。
あのレモンとか柑橘ってあの東北人のね、憧れなんですよ。レモンはおしゃれな食べ物だなと思って」
あまり岩手ではなじみのないレモンですが、岩手は日照時間長いことで実が大きくなり、昼夜の寒暖差で糖度も生まれるなど、栽培の環境にむいていると菅野さんは話します。
菅野さんの育てるレモンは黒ずみなどのないきれいな色が特徴です。
レモンの木にはトゲがあり、実がぶつかり傷つくことから、トゲを全て取り除き、鉢に植えることで木が大きくなりすぎるのを抑制し管理しやすくしています。
また、寒さに弱いので冬場はハウスに暖房を入れ凍結を防ぎます。
(井丸キャスター)
「この緑のままでももう食べられるんですか?」
(菅野達也さん)
「食べられます。ええ、食べてはね。あまり味に差がないんですよ。新鮮さ。
包丁入れた時のシトラスの香り。あれがたまらなくグリーンのレモンはいいです」
グリーンレモンとして、9月下旬から出荷が始まっているE‐レモン。
特に栽培に力を入れているのが、オレンジとレモンを掛け合わせた「マイヤーレモン」と、日向夏とレモンを掛け合わせた「璃の香」です。
薬の使用を最低限に抑え、皮ごと食べることができます。
(井丸キャスター)
「ではまず璃の香いただきます。種が入ってない。さっぱりしてておいしいです。
こう食べた瞬間、ちょっと酸味も来るんですけど、その後こうすっと抜けていく感じ。えぐみもないし、すごく食べやすいですね」
「続いてマイハーレモン。こちらは先ほどのものに比べてかなり皮が薄いですね。
酸味と甘味が食べた瞬間に同時にやってきます。口の中をこうさっとさわやかさが抜けていく感じ。食べやすくて美味しいです」
菅野さんは、レモンを消費する環境を作ろうと、育てるだけでなく妻の淑子さんと共にレモンを使ったレシピを考案し試食会なども積極的に行っています。
中でも、これからの季節におすすめなのが、レモンとトマトがたっぷり入ったお鍋です。
(井丸キャスター)
「美味しい!もう噛んだ瞬間にレモンの果汁がジワーッと口の中に溶け出して。
またこれね、肉と合うんで。いや美味しい。もう止まらないですね」
(菅野淑子さん)
「レモンっていうと生食で食べるとか、ケーキとかそういうイメージが強いと思うんですけど、おかずになるんですよね。香りもいいし、そんなに酸っぱくないし。概念に捉われないでやった方がいろんなものが美味しくできると思います」
今はまだ緑色のレモンですが、これからだんだんと色づき、11月中旬ごろからは黄色いレモンの出荷も始まります。
(菅野達也さん)
「食べ物が美味しいからこれからは。鍋や魚にあのレモンは合うので、ぜひ使って食べてみてください」
E‐レモンは、奥州市の江刺ふるさと市場で販売しています。
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