国立天文台の発表する「ほしぞら情報2024年10月」の情報によりますと、10月17日(木)の月は2024年の中では地球から最も近い位置で満月になるといいます。
全国の週間天気を見てみると、17日は全国で広く晴れとなる見込みで、このため、いつもの満月よりも大きく見える、いわゆる「スーパームーン」が日本全国各地で観測できる見込みとなっています。
こうしたなか、気象庁は11日に「大潮による高い潮位に関する全般潮位情報 第1号」を発表。10月17日の満月の前後は大潮の時期にあたり、満潮の時間帯を中心に潮位が高くなるとして、東北地方の太平洋沿岸、東海地方、北陸地方及び西日本の沿岸の一部では、海岸や河口付近の低い土地で浸水や冠水のおそれがあるため、注意を呼び掛けています。
※リンクから「地球と月の距離の関係の図」や「全国の週間天気」などをご覧いただけます。
「大潮による高い潮位に関する全般潮位情報 第1号」
(気象庁発表:2024年10月11日11時01分)
10月17日の満月の前後は大潮の時期にあたり、満潮の時間帯を中心に潮位が高くなります。東北地方の太平洋沿岸、東海地方、北陸地方及び西日本の沿岸の一部では、海岸や河口付近の低い土地で浸水や冠水のおそれがあります。
夏から秋にかけては海水温が高い等の影響で、平常時の潮位が年間でも高い時期となります。さらに、10月17日の満月の前後は大潮の時期にあたるため、満潮の時間帯を中心に潮位が高くなります。また、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、東北地方から関東地方北部の太平洋沿岸では現在も地震の前より地盤が低くなっている地域があります。さらに、令和6年能登半島地震の影響により、石川県の沿岸の一部では浸水や冠水の起きやすくなっているところがあります。
このため、東北地方の太平洋沿岸、東海地方、北陸地方、中国地方、四国地方、九州北部地方(山口県を含む)及び九州南部の沿岸の一部では、10月15日から10月22日にかけて、満潮の時間帯を中心に海岸や河口付近の低い土地で浸水や冠水のおそれがありますので注意してください。
なお、この期間中に台風や低気圧の通過等があった場合や、短時間に海面が昇降を繰り返す副振動の発生等があった場合は、さらに潮位が上昇する可能性があります。今後発表される高潮警報・注意報や潮位情報に十分留意してください。
日々変化する地球と月との距離
10月17日に全国で見ることができる“スーパームーン”。地球に満月が最も近づくため、この現象を見ることができるということですが、一体、地球と月との距離の関係はどうなっているのでしょうか?
国立天文台によりますと、地球の周りを公転する月の軌道は楕円形をしているといいます。地球と月との距離は一定ではなく、さらに、月の軌道は太陽や地球などの重力を受けて刻々と変化。このため、地球と月との地心距離は変化し、満月や新月のときの距離も毎回異なるということです。
今回、月は10月17日9時51分に近地点を通過し、約10時間半後の20時26分に満月(望)となります。満月のときの地心距離は約35万7400キロメートル、月の視直径は約33分26秒角です。国立天文台によりますと、実は9月18日の満月も地球に近く、地心距離は約35万7500キロメートル、月の視直径は約33分25秒角と、10月17日の満月の視直径とほとんど変わらないというこです。
2024年に地球から最も遠かった満月の日は?
満月が地球に最も近づくため見ることができる“スーパームーン”ですが、一方で2024年に満月が地球から最も遠ざかった日はいつなのでしょうか?
国立天文台によりますと、2024年で地球から最も遠い満月は2月24日。今回17日の満月(スーパームーン)は、2月24日の満月に比べて視直径が約14%大きく見えるということです。
しかし、実際の夜空に月を2つ並べて比較することはできないため、その日の月を見ただけで視直径の変化に気づくのは難しいと考えられ、月の視直径の違いは、視直径を調べて作成した絵を並べたり、それぞれの満月を同じ条件で撮影した写真を並べて比較したりすると、よくわかるとしています。
なお、国立天文台によりますと“スーパームーン”自体は定義があいまいだといいます。
(国立天文台(NAOJ)のHP内:ほしぞら情報2024年10月『2024年で地球にいちばん近い満月(2024年10月)』https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2024/10-topics03.html)
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