島根県松江市出身のインフルエンサー「難聴うさぎ」さん。
生まれつき耳が聞こえないながらも、YouTuberや会社経営者、タレントとして活動しています。
そんな難聴うさぎさんが今、新たに取り組んでいるのが「骨伝導集音器」の開発。
多くの人に音が聞こえる喜びを届ける彼女の挑戦を追いました。

難聴うさぎさん
「私は生まれつき耳が聞こえなくて、補聴器をつけて生活しています。普段は口の動きを見て、読唇術でコミュニケーションを取っています」

松江市出身のインフルエンサー、難聴うさぎさん(30)。
SNSの総フォロワー数は約75万人、YouTubeやTiktokで自身の体験や手話、障害がある友人らとの対談動画などを発信していて、去年は自身初のエッセイ本を発売するなど、活躍の幅を広げています。

そんな難聴うさぎさんの新たな挑戦。それが「骨伝導集音器」の開発です。

難聴うさぎさん
「補聴器は空気振動だから目に見えない空気を通って音が伝わるけど、これは骨伝導だからの直接骨に当てない限りは音漏れもしにくいし、当てることで音が伝わってくる感じです」
Q聞こえやすさも変わってくる?
「聞こえ方が違って、補聴器で駄目だった人に最後のチャンスとして、これで聞こえたら嬉しいなって感じです」

骨伝導の場合、一般的な補聴器と違い外耳や中耳を介さずに頭蓋骨の振動を通して内耳を震わせ音を届けることができるため、外耳や中耳に障害がある人でも音を聞ける場合があるというわけです。(※人によって合う合わないがあります)

また、補聴器との違いは、機能面だけではありません。

難聴うさぎさん
「基本的に補聴器は高いので、安価で手に入れられる聴覚サポートデバイスが、この世の中にあったらいいかなと思って企業さんたちと開発しました」

補聴器の一般的な価格帯は数十万円、片耳難聴や高齢難聴の人のなかには購入をあきらめてしまう人も少なくないといいます。

そんななか、音響機器の研究・開発などに取り組む会社から声がかかり、骨伝導集音器の開発に共同で取り組むことになったのです。

共同開発を依頼した ソリッドソニック 久保貴弘 社長
「聞こえに関するサポートデバイスとか、発信力をいかして何か物を売りたいと取材に応じていた記事を見たんです。親和性も高そうですし、お願いしてみようかなと考えたのがそもそものきっかけです」

開発にかかった期間はおよそ2年。
より気軽に手に取ってもらえる聴覚サポートデバイスをと、およそ50回もの試作を重ねました。

共同開発を依頼した ソリッドソニック 久保貴弘 社長
「難聴うさぎさんにも聞いていただいて、色んな意見やアイデアを一緒に出して、開発の現場にフィードバックしていく作業。消費者の視点に立って、使いやすいと思うようなボタンの配置とか、デザインとか、そういったことを考えて作りました」

難聴うさぎさんの「消費者目線」の意見が反映され、マイクの位置を調整したり、周りの雑音を小さくしたりなど、改良に改良を重ねました。

そして、年内の販売開始に向け、全国各地で無料体験試聴会を開催しました。

大切な人の声や音楽を耳にして、喜びをかみしめる人、中には涙を流す人の姿もありました。

難聴うさぎさん
「生まれつき聞こえてたけど人生の途中である日突然難聴になった方、聞こえにくくなった方。30年・40年ぶりに、駄目かもしれないけど聞こえたらいいなと覚悟を持って来てくださって、骨伝導集音器を試して『聞こえた』『懐かしい』って感動して涙流す方もいらっしゃいました」

難聴うさぎさん自身も、この体験が大きな喜びに繋がったといいます。

難聴うさぎさん
「本当に仕事やってよかったなって。耳が聞こえない自分だけど、耳が聞こえない人のためになれてるのがよかったなって思いました」

この骨伝導集音器は、年内の一般販売開始を予定していて、詳しい公式サイトは11月頃に開設される予定だということです。

松江市出身の難聴うさぎさん、今度はどんな挑戦を見せてくれるのでしょうか?

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。