90年代半ばから2010年代前半に生まれた世代を一般的に“Z世代”と呼ばれていて、この“Z世代”を含む若者について、選挙のたびに指摘されるのが「政治離れ」や「投票率の低下」です。
2016年6月の法改正で選挙年齢が18歳以上に引き下げられました。総務省のまとめによりますと、1969年以降に行われた衆院選の世代別の投票率をみると、常に20代が最も低くなっています。次に低いのは、2017年以降に選挙権を得た10代です。
大分県選挙管理委員会 伊藤雅人さん:
「若者の存在感を社会や政治家にアピールするためにも、政治に関心を持ってもらうことが大事です」
15日公示の衆院選に対し、若者はどう考えているのか――大分市中心部で聞きました。
「行こうかなと思っています。流されるよりは、自分で確認して行った方がいいと思っている」「行かないです。選挙があるのを知らなかったです」「別に興味がない」「自分の一票で変わるかもしれないと思ったら投票に行きたいです」「今まで適当にしていましたが、今年から絶対行きます。選挙に行かないと変わらない」
若者マーケティング機関「SHIBUYA109 lab.」が去年実施したZ世代の政治に関する意識調査によりますと、今後の選挙について、72.3%が「投票の意向あり」と回答しています。
投票意識が高い一方、「自分が投票に行っても社会は変わらない気がする」と感じている若者が60%を超えるなど、政治や社会に対して“諦めモード”であることもわかります。
11月に行われるアメリカ大統領選挙。有権者は事前登録した「18歳以上の国民」です。アメリカの若者は政治とどう向き合っているのか――立命館アジア太平洋大学に通うミシガン州出身の留学生(21)に話を聞きました。
スティーブンス・セス・ヒューズさん:
「高校時代の友人は、政治への意識が非常に高かったです。アメリカの若い人たちは、いつも政治のことを考えていますが、日本の若者は、政治に興味を持っていないと感じます。候補者にも責任があり、若者とつながって選挙を盛り上げることが必要です。政治が自分の未来と人生にかかわっていると感じたら投票したくなると思います」
政治学を専門とする同大学の竹川俊一教授は、アメリカと日本の若い世代では「政治的な意見を話す機会に差がある」と指摘します。
竹川俊一教授:
「アメリカ大統領選挙では、妊娠中絶や移民問題など、若者が意見を持ちやすい争点が浮かび上がってくる。意見をきいて答えるということを繰り返しているから、政治に対する関心が高い」
また、竹川教授は、子どもの頃から選挙の意識づけをすることが重要と強調します。
「子どものときに親と投票所にいった経験のある10代の若者の投票率は、高めに出るんです。政治に対して関心を持ちやすくなり、それが結果的に投票に結びつくことがあるかもしれない」
選挙権の年齢引き下げから8年で迎える衆院選。未来を担う若い世代が1人でも多く一票を投じることが望まれます。
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