通販大手ジャパネットグループが地元長崎で挑む《民間主導の地域創生》の舞台「長崎スタジアムシティ」が、いよいよ10月14日にオープンします。他都市を上回る急速なペースで人口減少が進行する長崎市。そこに真っ向から挑むこのプロジェクト。「想像していた世界を超えたものができた」。高田旭人社長は、開業前の緊張のなか報道陣の前で「見たことのない世界を作り続ける」と宣言しました。日本では西の端に位置する長崎からの挑戦。その具体策と展望は?
【長崎スタジアムシティ】
ジャパネットグループのリージョナルクリエーション長崎が、サッカースタジアムを中心にアリーナ・ホテル・商業施設・オフィスなどの複合施設を手掛けたプロジェクト。場所は戦時中は軍需工場が建てられていた被爆地でもある長崎市幸町。JR長崎駅から徒歩約10分の好立地に約7.5ha(東京ドーム1.5個分)の土地を購入。総事業費は約1,000億円。
最高のものを作る
ジャパネットホールディングス 高田旭人社長兼CEO:
「このプロジェクトは《地域創生》の象徴的なものと言われます。もちろん気持ちとして長崎のためにやりたいし長崎を盛り上げたいと思っていますが、持続可能なものでないとビジネスとしては意味がない。『感動とビジネスの両立』ーそのチャレンジになる」
「長崎スタジアムシティ」。その構想の発案者は高田旭人社長自身でした。三菱重工長崎造船所幸町工場の再編による、跡地の活用事業者が公募された時、「武者震いするほどの気持ちだった。夜ふらっと見に来て1人歩きながら『ここにできたら何が起こるんだろう』と考えた」と言います。
坂の町長崎市。「すり鉢状」と言われる町には、少ない平地を囲む山々に多くの家が張りつくように建ち、独特の景観を作り出しています。そこにぽっかりと現れた広大な平地、しかも駅近という条件。
ジャパネットホールディングス 高田旭人社長兼CEO:
「この場所があったことが最後の決め手」「走り出すと物価も建設費も上がっていく事態となったが、気を付けたのは『物価が上がっているからと言って施設を我慢することはないよう』にすること。1千億円をトータルでは超える世界になっているが、最高のものを作り続ければ回収できると考えている」
「今まででいいじゃないか」変化を恐れる町で
ジャパネットホールディングス髙田旭人社長兼CEO:
「長崎は外から見ていて『もったいない』。『いいもの』『いい人』『いい自然』もある。でもなんとなく変化を怖がっている。新しいことをやろうとすると『今まででいいじゃないか』という文化があるなと思っている」
「変化しにくい県だけど、そのまま変化しないのは良くない。行政のせいばかりにして動かないのも違う。タイミングが重なったので、今回思い切った投資をして長崎を動かしてみようと」
「長崎を動かす」。そのエンジンとなる舞台には、民間目線で「今この瞬間を楽しむ」ための仕掛けが詰め込まれています。
【ピーススタジアム】
プロサッカークラブ「V・ファーレン長崎」のホームスタジアム。収容人数約2万人。6日に行われた初の試合はチケット完売。日本一ピッチに近いスタジアムとしても注目を集める。開業日前日の13日にこけら落とし、地元長崎市出身の福山雅治さんによるフリーライブが行われる。
スポーツ施設だけじゃない
【ハピネスアリーナ】
プロバスケットボールクラブ「長崎ヴェルカ」のホームアリーナ。収容人数は最大6千人。コンサートなどのイベントも開催される予定。こけら落としは長崎市出身のさだまさしさんによるチャリティーコンサート長崎から、能登へ!
【その他】
■ジップライン…オフィス棟と商業棟の屋上をワイヤーロープでつなぐアクティビティー
■地下1,500mから湧出した天然温泉の大浴場
■日本初サッカースタジアムが直に一望できるサウナ・屋内プールなど
■ブルワリー(醸造所)…公共交通機関利用の促進・試合後の滞在伸ばす仕組み作り
■駐車場…約1100台。ICT使った価格変動。試合などの終了直後から時間がたつと料金が安くなるシステム導入。
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