「衆議院を解散する」

就任から、わずか8日。9日午後、石破総理が衆議院を解散しました。

国会内で取材する堀内大輝アナ
「いまバンザイと議場の中から聞こえ、衆議院が解散しました。扉が開いて議員が続々と出てきます」

解散に先立ち9日朝、自民党は、裏金問題で処分を受けるなどした議員のうち、非公認とする議員を発表しました。

石破総理は、「相当程度の非公認が生じる」と発言していましたが、発表されたのは、あわせて12人。

990万円の記載漏れがあったとして戒告の党内処分を受けた、北海道5区の和田義明氏の処遇も注目されましたが、党本部は「公認」という結論を出しました。

そして。

堀内大輝アナ(午後1時すぎ)
「今まさに党首討論が行われていまして、野田代表の質問に対して石破総理が答えているところです」

午後1時から行われた党首討論。野党側は、石破総理の「変節」を突こうとします。

立憲民主党 野田佳彦代表
「もっと正確に言うと、大半が公認じゃないんですか。再調査もしないでうやむやにして早く解散をすると。これね、裏金隠し解散じゃありませんか」

野党の各党首は石破総理に対し、政策活動費や裏金問題など「政治とカネ」をめぐり、厳しく追及しました。

石破茂 総理
「最終的な判断は主権者たる国民の皆様方にお任せをいたします。しかし私はこれが甘いとかいい加減だと、そのようなこと一切考えておりません」

しかし、野党が求める「がっぷり四つ」の論戦とはならず、石破総理は、80分間の党首討論を無難に切り抜けました。

事実上、始まった選挙戦…道内各党にめぐる思惑は。

自民党 中村裕之 道連会長
「政治資金の一点だけにとどまらない、政治活動全体をみた判断をしていただけるようにそれぞれの議員が努力していきたい」

立憲民主党 逢坂誠二 道連代表
「選挙前に言っていたことと、実際総理になってしまったらしゃべることが180度変わるわけですよ。本当の意味での政治改革というのは政権交代しかない」

公明党 稲津久 道本部代表
「政治資金の一連の問題で、自民党として結論を出したわけだが、政治不信に対してどこまで丁寧に改革を説明していけるか、これに尽きると思う」

道内選出議員も、新たな戦いがスタートします。

自民党 高橋祐介氏(3週間前に繰り上げ当選)
「まだ仕事をさせていただく機会がなかったもんですから、しっかりと次へつなげていければと思っている」

立憲民主党 荒井優氏
「3年間の活動の評価だと思うので、しっかりと頑張っていきたい」

立憲民主党 石川香織氏
「選挙区は農業地帯でもあるので、農家の皆さんの所得を上げることもやっていきたい」

裏金問題の渦中に置かれていた、和田氏は…。

自民党 和田義明氏
「(公認でましたね)なんとか出ました。誠心誠意、説明を尽くしていきたい」

総理就任から8日、投開票まで26日間と、いずれも「戦後最短」での戦いとなる、今回の衆院選。

石破総理の言う「判断材料」は提供できたのか。15日公示、27日投開票です。

◆HBC選挙解説 北海道文教大学国際学部 宮本融教授
今回の解散は「裏金を壺に隠しちゃだめよ“壺金”解散」。
「『何かあってもすぐに忘れてしまうだろう』とあなたたち思っているでしょ」というのが、石破政権に対する批判ですから、せっかく投票する機会ができたので、今まで3年間に何があったか、良いこと悪いことを評価して、投票しましょうという意味です。

“裏金”議員の非公認12人については、今回の件は国民から見ると「裏金でしょ、脱税でしょ」となるが、党の議員からすると「不記載」なんです。しかも不記載を積極的に主導した安倍派の幹部と「これ本当に載せなくていいんですか」と言う人もいて、割とグラデーションがある。

それで小選挙区のみ公認の37人は比例復活できません。自民党の名前で議員になることはできないので、彼らの感覚からすると非公認の12人と合わせて49人全員、厳しいイメージになっている。

◆“裏金議員”の公認問題 有権者の反応
・60代女性
「裏金議員はまだほかにもいると思うので、もっとはっきりしていただきたい。石破総理に新しく変わったので期待したいけど、どうなのかな…」

・70代男性
「自民党が議席減らさないためにやったもんでしょ、裏金もらったやつ全員非公認だよ、大体自民党は甘すぎるわ」

・30代女性
「(裏金議員の対応を)やるんだったら、もうちょっと早く対処していないと、いま選挙に勝ちたいからそうやっているかなと後付けに感じる。生活していてスーパーに行っても物価が高くなった、赤ちゃんのものを買っても結構お金がかかる。庶民生活に基づいた政治をしてほしい」

◆HBC選挙解説 宮本融教授
争点は一言「石破さんを信頼できる?」かどうか。ここ数日間の国会でのやり取りをみて、信頼できるか要素は、ちょっと弱かったかなと。

野党については、野田代表は今、非常に歯切れが良くて注目が集まっている、だけどここから先に問題になるのは「立憲共産党」と批判されると弱い。しかも立憲民主党の人は、中道の保守的な人をとろうとして野田代表にしたわけだから、共産党と選挙区調整がどうのこうのと言われると困る。

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