ようやく涼しくなってきましたが、まだまだ油断できないのが秋の食中毒です。実は、10月の発生件数が多くなっています。一体、なぜなのでしょうか。

10月の食中毒の発生件数は8月の約1.7倍…“残暑バテ”も影響か

日比麻音子キャスター:
ようやく涼しくなってきた時間帯もあるなかで、まだまだ油断できないのが秋の食中毒です。

食品問題評論家の垣田達哉さんによると、食中毒は大きく分けて、次の3つの要因が多いということです。

ウイルス性(ノロウイルスなど)
低温や乾燥を好むので、秋から冬にかけて多くなる傾向
細菌性(カンピロバクター、サルモネラなど)
約30度以上で活発に増殖し、春から秋まで多い傾向
寄生虫(アニサキスなど)
サバやサンマなどに寄生していることもあるので、まさに“秋の味覚”に注意

続いて、食中毒の発生件数のデータ(出典:厚生労働省「食中毒統計」)をみていきます。2019~2023年までの過去5年間の平均では、10月の発生件数は104件と、実は8月の約1.7倍になっているのです。

山内あゆキャスター:
夏がようやく収まってきたので、私はお弁当に保冷剤を入れるのをやめていました。

産婦人科医 宋美玄さん:
やりましょう、それは!私の家は1年中入れています。

日比キャスター:
ひなた在宅クリニック山王の田代和馬先生にも聞いてみたところ、この時期には“残暑バテ”もあるということです。「通常は胃酸などが食中毒の原因の菌を殺菌するが、“残暑バテ”などで抵抗力が落ちると、体内で菌が繁殖しやすい」といいます。

産婦人科医 宋美玄さん:
それは結構、意外でした。細菌性の食中毒にカンピロバクターとありましたが、最近はグルメブームで、生焼けのハンバーグや鶏の刺身、たたきなどが取り上げられていますよね。医師の目線から「それは危険だろ」と思って見ていました。

日比キャスター:
安全な、訓練などを受けた店舗ならまだ…。

産婦人科医 宋美玄さん:
でもハンバーグなどはミンチ肉なので、やはり駄目ですね。

日比キャスター:
夏はどうしても暑いですし、食中毒に気をつけなければと思いますが、今まさにこの季節が重要ということです。

秋の行楽シーズンは、“食中毒の季節”とも考えられます。食品問題評論家の垣田さんいわく「外でお弁当を食べる人も増える。直射日光で弁当内の温度が上がり、細菌が増殖する恐れもある」とのことです。

涼しくなってくると、バーベキューの季節に食中毒が増えることもありますが、こういうところも気をつけていただきたいと話していました。

3種類のサンドイッチ、最も食中毒リスクが高いのはどれ?

日比キャスター:
お弁当にまつわる問題を出します。サンドイッチで最もリスクが高いのは、「たまごサンド」「ハム&生野菜」「カツサンド」のうちどれでしょうか?

管理栄養士の渥美まゆ美さんにも聞いたところ「高温や水分に加え、生モノが食中毒予防の“大敵”。加熱調理をしない生野菜も傷みやすいので、お弁当には避けた方がいい」とのことで、正解はハム&生野菜です。

たまごサンドも半熟だと気をつけたほうがいいのですが、カツサンドも含め、しっかり火が通っていれば食中毒のリスクは低いといいます。

お弁当の食中毒を防ぐには中身の温度を上げないようにすること!

日比キャスター:
お弁当の食中毒について、注意点をまとめてみました。

食品問題評論家の垣田さんによると、まずは、▼冷ましてからフタを閉めるのがいいということです。そして、▼保冷剤はお弁当の上に置くこと。お弁当箱の中身の温度が上がらないようにするのがポイントです。

あとは、やはり水分量が多いと危険なので、▼ソースや醤油などは別添えにするのがいいとのことでした。

産婦人科医 宋美玄さん:
インスタグラムなどで“映える”お弁当は、結構リスクが高いと思います。たとえばレタスをご飯に乗せて、その上に具材を並べていくなどです。

あとは具材同士がくっついてしまうので、基本的には紙やシリコン、アルミのカップに、おかずごとに分けるなどしなければいけないと思います。そうすると写真は映えないのですが…。

山内キャスター:
冷ましてからフタを閉めるためには、早く起きないと時間がないわけですよね。

産婦人科医 宋美玄さん:
ほかほかのご飯や揚げ物など、熱いものは先に調理して冷まし、作り置きみたいなものは後回しです。

日比キャスター:
専門家に聞くと、洗った箸の箱やお弁当箱などに水分が残っていると、それも菌が繁殖するきっかけになってしまうかもしれないので、しっかり水分を取ってほしいとのことでした。

山内キャスター:
日比さんは今日、自分でお弁当を作って持ってきていませんでしたか?

日比キャスター:
金曜日はお弁当を持ってくるようにしています。最近は、1時間早めてお弁当を作るようになりました。なるべくしっかりと冷やせるよう、できる限り余裕を持ってやっているところです。

ちょうどこの季節の変わり目は体調を崩しやすいので、気をつけたいですね。

節約とフードロス削減を含めてやっています。

山内キャスター:
頭が下がります。

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<プロフィール>

宋美玄さん
産婦人科医 2児の母
女性の健康などのテーマを発信

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