大分市に住む会社員の五條堀美咲さん(32)が行方不明になり8年が経ちました。警察はこれまで延べ4万7000人の捜査員を投入して行方を捜していますが、いまだに有力な情報は得られていません。
毎年このチラシ配りが最後になれば…
今年9月26日、行方不明となっている五條堀美咲さんの両親が大分を訪れ、娘の住んでいたアパートの近くでチラシを配り、情報提供を呼びかけました。
今年は自然体に近い写真を見てもらうことが有力な情報提供につながると望みを抱いて、行方が分からなくなった24歳当時のスナップ写真3枚を新たに公開しました。
五條堀さんの父親:
「これが最後になるといいと思う気持ちで毎年いるが、なかなかそうはいかないみたいで…新しい情報があればと思う気持ちだけ」
自宅周辺で位置情報途絶える
大分市横尾に住み、当時24歳だった五條堀さんは2016年9月25日午後11時半頃、自宅アパートに遊びに来ていた友人が帰宅したあと、消息がわからなくなりました。
26日午前1時過ぎまで複数の友人とLINEでやり取りしていたことがわかっています。その5時間後の午前6時前後を最後に、携帯電話の位置情報が自宅周辺で途絶えました。
五條堀さんが行方不明になった当時、友人は「しっかりした家族だったので、一日一回は連絡を取り合っていると聞いていました。職場にも連絡しないで休むというのは信じられない。本当にまじめな子だから」と話しています。
五條堀さんは一人暮らしで、部屋の中を荒らされた形跡はなく、ドアにも鍵がかかっていました。
バスやタクシー、JRや飛行機など公共交通機関を利用した形跡がなく、キャッシュカードやクレジットカードの使用も確認されていません。
警察は何らかの事件に巻き込まれた可能性があるとみて、知人や友人らおよそ300人から話を聴くとともに公開捜査を行い、五條堀さんのバッグやスマホの写真を公開しました。
また、アパート近くの田んぼや側溝、池の水を抜いて所持品の捜索などにあたりましたが、手掛かりになるものは見つかっていません。
行方不明8年…父の苦悩
今年も情報提供を求める一心で9月26日にチラシを配布した父親に心境を聞きました。
―― 行方不明から8年が経ち率直な気持ちは
「もし情報提供があればと思って毎年大分に来ています。チラシ配りが最後になればという思いですが、なかなかそうはいかない」
―― 情報提供が減っていますが?
「仕方がないと思うところもありますけど、私でも1週間前のことを聞かれたらわからないでしょう。それが8年も経つと、もっとわからないと思います。親としては何かあればと願っています。娘のためにしてやれることはないので、情報提供を求めるチラシ配りはしようと思って毎年来ています」
―― 今回の新しい写真の提供にはどういった経緯や思いが?
「これまでの写真は外出用の顔になっているので、行方不明になった時の状態に近い写真の方が良いと考え提供しました。写真を変えたら手掛かりになる情報が寄せられればという思いだけです。早く見つけて結果がどうあれ私たちも、もう若くないので早くわかればという気持ちです」
「一番良いのは生きている姿を見たいと思いますが、8年も経っているので良いことばっかり考えることは難しい。良いにしろ悪いにしろ、結果を知りたいというのが私たちの本音です」
「情報提供」今年は4件
警察はこれまでに延べ4万7000人の捜査員を投入し、寄せられた情報などを調べていますが、五條堀さんに結びつくものはないということです。行方不明になって以降、今年の8月末までに寄せられた情報は321件、今年に入ってからは4件にとどまっています。
県警の足達竜二生活安全部長は「行方不明の受理をしてから事故・事件の面も含めて発見活動に努めてきたところですが、県民の皆様には引き続き五條堀さんに関する情報提供をお願いしたい」と呼びかけています。
五條堀美咲さんは身長149センチのやせ型で、行方が分からなくなった当時は黒髪のセミロングでした。
今回、家族から提供されたスナップ写真を掲載したポスターは全国の警察署にも掲示され、さらなる情報提供を呼びかけています。
情報提供先:【大分東警察署】097-527-2131
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。