来月開催される「おはら祭」。鹿児島市が事務局となって祭りを主催する振興会が、旧統一教会の踊り連の参加を認めない決定を出しました。「理由を公表すべき」とする旧統一教会に対し、下鶴市長は2日、公表しない考えを示しました。

考えが食い違う中、旧統一教会を取材するジャーナリスト・鈴木エイトさんらは、この問題をどう見ているのか、聞きました。

(鹿児島家庭教会 川原史行教会長)「市長とも話をさせてもらい、こちらの思いや現状を聞いてもらったうえで判断してほしい」

旧統一教会、鹿児島家庭教会の川原史行教会長です。去年11月のおはら祭りに信者ら70人で踊り連として参加しました。一方で、旧統一教会を巡っては、元信者らが高額献金などの被害を訴え、国が解散命令を請求しています。

こうした背景から、参加を認めた鹿児島市をはじめ、振興会に疑問の声が寄せられ、主催する振興会は今年、参加規約を新たに設けました。

旧統一教会は今年も参加を申請しましたが、川原教会長によりますと、鹿児島市は「規約で定めた『公序良俗に反する団体』にあたる」として、参加を認めない考えを今月1日に伝えてきたということです。

(鹿児島家庭教会 川原史行教会長)「残念で仕方がないことが第一。解散請求もまだ係争中。家庭連合が公序良俗に違反するのかは、まだ決まった内容はない。(市が理由を)公表しないといろんな憶測を呼んで被害も出てくる」

旧統一教会側は「認めなかった理由を公表すべき」と訴える一方、下鶴市長は2日の定例会見で…。

(鹿児島市 下鶴隆央市長)「参加を断った団体がある。その団体名等については、公表されることによって不利益が及ぶ恐れがあることから公表は考えていない」

具体的な団体名や理由については「公表できない」と繰り返しました。

Q.市が公表しないことで、憶測が飛ぶと団体が心配しているが?

(鹿児島市 下鶴隆央市長)「振興会として断られたと一切公表していない。なぜ(現状で)公になっているのかは関知していない。(旧統一教会側と)会う考えはない」

そもそも参加を認めなかった振興会の対応は、妥当だったのか?旧統一教会を長年、取材しているジャーナリスト・鈴木エイトさんは…。

(鈴木エイトさん)「(市は)妥当な判断だった。認めてしまうと、おそろいの衣装を来た信者が、教団の宣伝に使われてしまう。市がまともな団体だとお墨付きを与えてしまう」

「公序良俗に違反するのか、まだ決まった内容はない」とする教団の主張についても、否定します。

(鈴木エイトさん)「解散命令請求を国が行っているので、公序良俗に違反する社会的に問題がある行為を行ってきた団体だと、国が認定して司法に責任を問うている段階なので、まだ判断が出ていないという教団の主張は失当」

本来は誰もが参加できるはずのイベント。憲法学が専門の鹿児島大学・三上佳佑助教は、今回の振興会の決定プロセスに問題はないか、客観的にチェックできるようにすべきと指摘します。

(三上佳佑助教)「公的な行事における参加者の選別は、恣意的に行われていないかどうかは、単に関係当事者の間だけの話ではない。結論を出すに至った過程をどの程度細かく丁寧なプロセスを踏んだか。客観的に判断してもらわなければ分からない」

旧統一教会は今後も決定の見直しを求めていく方針で、振興会の対応が注目されます。

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