今年3月、出産したばかりの赤ちゃんの遺体を千葉県の海岸付近の崖から投げ捨てたとして死体遺棄の罪に問われている母親の裁判がきょう始まりました。
母親は「間違っていません」と起訴内容を認めました。
弁護側は、責任能力について争う姿勢を示しています。
死体遺棄の罪に問われているのは上田綾乃(うえだ・あやの)被告(38)です。
起訴状などによりますと、上田被告は今年3月1日の午後10時ごろから2日の午後9時ごろまでの間に、産んだばかりの赤ちゃんの遺体を東京都内から千葉県銚子(ちょうし)市の駐車場に運び、海岸付近の崖から投げ捨て、遺棄した罪に問われています。
きょうの初公判で上田被告は「間違っていません」と起訴内容を認めました。
この事件を巡っては、上田被告の知人の碓井康哲(うすい・やすのり)被告が死体遺棄教唆の罪に問われ、裁判が行われています。
検察側は、碓井被告が、魔術師協会の「牛尾 ひでき」と名乗り、上田被告に食事やデートなどをする見返りに金銭を得る、「パパ活」で1日4万円以上稼ぐよう
指示していたとしています。
また、上田被告は碓井被告の指示でパパ活のために入った都内のラブホテルで出産し遺体をビニール袋に入れるなどして運んだなどと当時の状況を説明しました。
一方弁護側は、上田被告が、以前から心療内科に通っていたことを明らかにし、上田被告と碓井被告の関係について明らかにしました。
上田被告は事件前、妊娠したことを碓井被告に伝えたところ、「お腹の中に悪魔がいる」などと言われ、腹を殴るなどの暴行を受けていたということです。
こうしたことから弁護側は事件当日も心神耗弱だったとして、「事実は争わないが、責任能力を争う」としました。
碓井被告は裁判で、上田被告を叩いたり電気を流したりしてケガをさせた傷害の罪にも問われていますが、死体遺棄教唆の罪とともに起訴内容を否認しています。
きょうの裁判で上田被告は、(弁護側から)碓井被告に伝えたいことはあるか問われると、「正直に話して罪を償ってほしい」と述べました。
上田被告の次回裁判は11月に、碓井被告の次回裁判はあす行われる予定です。
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