都会の消費者がコメ不足に翻弄されたこの夏、産地では、学校の授業でコメ作りに取り組んでいた児童もいます。その一つ広島県北広島町の小学校で稲刈りがありました。コメ作りを通して何を学んだのでしょうか?

標高約400m、広島県内有数のコメ処北広島町大朝地区です。地元の大朝小学校では毎年、5年生が総合的な学習でコメ作りをしています。

ことしの5年生は7人。学校近くの田んぼを借りてイネを育てて来ました。

先生役は、児童の保護者で農家の水口一真さんです。

水口さん「ここを持って下を切るね。10cm位のところをこう切る、OK?」

児童の中には初めて鎌を使う子もいましたが、水口さんからケガを防ぐ使い方を教えてもらって作業にあたりました。

児童「(Qどうですか稲刈り?)むっちゃサッと切れるけん面白い」「難しくないけど、疲れる」

この日は、保護者も参加しました。一見、ふつうの親子収穫体験ですが、大きな目標があります。

担任と児童「稲刈り、何のためにするんやっけ?」児童「お米グランプリにおコメを出すため」「みんなにこのおコメを食べてもらう」

収穫したコメをコンテストに出品したり、店頭で販売したりしようというのです。

児童「(Qなんでこのコメを作りたいと思ったんですか?)グランプリで1位とりたい。グランプリで1位をとりたかったから」

児童に刺激を与えたのが先生役の水口さんが去年、勤務先の農場で作ったコメがコンテストで日本一に輝いたことです。そのため作るイネも受賞米と同じ品種にして、水口さんの指導で種をまきました。

ところが…まいた種を鳥に食べられたり水やりに失敗したりして、ほぼ全滅してしまいました。急きょ、水口さんに分けてもらった苗で田植えをしましたが、児童にはいい勉強になったようです。

児童「イネが枯れてもみんなで一生懸命あきらめず、稲刈りまでできたからよかったです」「おコメって食べれるまでに手間暇がかかるんだなあっていうのが分かったんじゃないのかな」「おコメを残さず食べるようになった気がします」

勉強といえば、この夏、都会で起きたコメ不足にも関心を持っていました。

児童「コメがない事、大変だなって」「みんなに、その作ったおコメを売って食べてもらいたい」「(Q将来じゃあ、おコメを作る仕事をしたいなと思った?)ちょっと」「ちょっとね、ちょっと」

ただし、田んぼの管理は十分ではなかったようです。

保護者「結構、草が多かったので、イネと草、見分けたり、仕分けたり、結構、大変でしたね」

鎌による収穫は1時間ほどで終了。あとは水口さんにコンバインで刈ってもらいました。

水口さん「これが、みんなが作ったおコメの今、現在の姿です」「皆さんがことし、目標にしているのは?」児童たち「いい賞を取る、いい賞を取る」

収穫したコメは水口さんが選別し、地元で開かれる全国コンテストに出品される予定です。

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