“おトクに遊べて学べる”と人気の「企業の体験型施設」。バナナピーマンや赤オクラなど、珍しい野菜が収穫できて、食べられる!“野菜を思う存分堪能できる”体験農園を運営しているのは…?
続々登場!おトクに遊べる行楽スポット
2024年5月にできた伊藤園が運営する『お~いお茶ミュージアム』(東京・新橋)。
「飲む抹茶わらびもち」(800円)など様々なお茶スイーツを味わえたり、プロが教える「おいしいお茶いれ体験」やオリジナルペットボトル作りなどで話題になっています。
そして小田急線の海老名駅に直結する『ロマンスカーミュージアム』では、実際の運転席に座って臨場感たっぷりの「運転シミュレーター」ができたり、新宿から箱根までを再現した巨大ジオラマでは新旧の小田急車両が夢の共演。子どもも大人も楽しめると人気です。
こうした企業の体験型施設、今増えているんです。
第一生命経済研究所 主席エコノミスト 永濱利廣さん:
「体験型ミュージアムは企業の顔となるPRする施設。ミュージアムで採算を取るというよりもミュージアムを通じて“お気に入りの会社”になれば、商品にも愛着がわく。そこが狙い」
“食育”にも最適!ワンコイン収穫
埼玉県深谷市にあるのは、『深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム』。
誰もが知る大手食品メーカーが作った巨大体験型施設で、約6000㎡もある野菜畑ではワンコインで旬の野菜を収穫できちゃいます。
この日、THE TIME,マーケティング部の原千晶部員が収穫したのは5種類。
▼とうがらし5本
▼ミニパプリカ7個
▼スイスチャード5枚
▼数種類のオクラ5本
▼バナナピーマン5個
その場で食べても、持ち帰りもOK。これ全部で、500円です。
しかも、収穫畑には見たこともない野菜がたくさん!
例えば「バナナピーマン」。長さ10cmぐらいの唐辛子のような形で、黄色く熟して苦みはほとんどありません。そのまま食べてみると…
原部員:
「あっ、ピーマンなんだけど、ちょっとフルーティーな香り」
さらに紫色に白のストライプの皮で、人差し指サイズのナス「フェアリーテイル」や、切り口が星型になる大振りのオクラ「ダビデの星」や「赤オクラ」などなど、スーパーではなかなか見かけない野菜ばかり。
ちなみに、実が柔らかい赤オクラは生で食べるのがおススメとのこと。赤い色素アントシアニンが水に溶けやすく、茹でると緑色になってしまうといいます。
「せっかくなので赤を活かして生で食べて下さいと皆さんに話しています」というのは、この施設を運営する松村さん。珍しい野菜を揃えるのにもこだわりがあるんです。
『深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム』野菜営業部課長 松村佳代さん:
「まずは収穫して楽しいもの。見て楽しいというところで少しカラフルなものを揃えるようにしています」
野菜は年間60種類以上を栽培。収穫体験は「家族で野菜に夢中になれる」と人気だといいます。
子どもと収穫していた母親:
「食育じゃないけど、家でやろうと思うと難しいので。こういうところに来て自分で選んだり、旬なものを見つけられたりとか凄くいい」
「総菜工場の職員」が発案
この体験型施設を運営しているのは、キユーピー。
もともとキユーピーグループの総菜工場で働いていた松村さんが企画し、社内ビジネスコンテストで優勝したのが始まりでした。
『深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム』松村さん:
「マヨネーズやドレッシングを野菜にかけていただくので、野菜を楽しんで好きになってもらいたくてこの施設を作りました」
確かに、野菜好きが増えればマヨネーズの売り上げにつながります。
さらに、社員教育にも使えちゃう!
2024年の入社式はこの農園で行われ、「キユーピーといえば胡麻ドレッシングなので自分たちで植えよう」と、新入社員がゴマの苗の植え付けをしたとのこと。
畑の管理は地元深谷市の農家と提携していますが、こだわりは農薬を使わないこと。除草も全部手でやっているんです。
農園スタッフ:
「大変だけど、子供たちの『うおー』とか歓声が聞こえると、もうそれでオッケーです」
併設するマルシェでは、栽培した野菜や深谷市の獲れたて野菜も買うことができます。
旬の野菜を“無限ループ”できるレストラン
さらに畑の隣にあるレストランでは、“その時とれる旬の野菜を、もっともおいしく味わえる料理”を専属のシェフが提供。
「長野県産りんごと豚肩ロースのロティ」(1950円)や「茄子と黒ゴマのピリ辛トマトソースパスタ」(1800円)などランチメニューも豊富ですが、どれもお値段2000円弱とちょっとお高めの印象…。
『深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム』松村さん:
「でも全部にサラダバーがついているので、しっかりお野菜をお腹いっぱい食べていただくことができます」
そう、全メニューが食べ放題のサラダバー付き!
こちらがメインといっていいほど、様々な野菜料理がずらりと並んでいます。
中でも、無限にニンジンが食べられると人気なのがキャロットラペ。最初に塩でもむのがシェフのこだわりなんだとか。
原部員:
「ん!シャッキシャキ!うわ、甘いですねニンジンも」
松村さんのおススメは野菜たっぷり、ごろっと大きな鶏肉が入った「ファームカレーライス」(1800円)。
野菜の旨味を閉じ込めたカレールーは、原部員も「よく食べるカレーと違ってポタージュ感がある!」と大絶賛でした。
でも…。カレーなどのメニューをはじめ、サラダバーのドレッシングもシェフのお手製と、“キユーピー感”がないんです。そのワケは…
『深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム』松村さん:
「キユーピーのドレッシングの施設じゃなくて、あくまで“野菜が主役の施設”なので。ただ本社からは『自社商品をもっと置いたらどうだ』と言われたりします(笑)」
休日限定のマヨネーズ作り体験(1000円/人)も人気だというキユーピーの体験型施設。“野菜好きにはたまらない”、野菜を思う存分堪能できる行楽スポットです。
(THE TIME,2024年9月24日放送より)
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