長崎市長は20日、市議会議員の言動が市職員に対するパワハラにあたるとして、言動を検証し再発防止策を講じるよう市議会議長に申し入れました。市が議員のハラスメントに対し書面で申し入れるのは初めてだということです。
申し入れ書によりますと、9月定例市議会一般質問の中で梅本けいすけ議員(ながさき次世代の党)が、答弁しようとする職員に対し、大声で何度も答弁を制止しようとする言動があり、職員は恐怖を覚え、精神的苦痛を強く感じたとしています。
[9月議会の一般質問で発言された内容の一部]※申し入れ書より
・「市長、市長。選挙公約ぞ。選挙公約。あんた公務員の、公務員が選挙やっていいと思っているのか。選挙公約ぞ。選挙公約」(大声で)
・「ここは市長。市長が御答弁ください。(中略)市長が答弁してください。動議。暫時休憩。ちゃんとね、答弁しなさい。(大声で)
・「お答えください。いやいや、あんた市長じゃないやろ」(大声で)
また、一般質問の場で職員の個人名を連呼したり、一般質問に関連して議員であることを強調して執拗に面会や急な資料提供の要求などがあっており、職員は恐怖を覚え、精神的苦痛を強く感じた、としています。
この他、市政一般質問の事前ヒアリング時に、複数の所管課の職員に対し「動議を何回もして1時間ずつ議会を止める。朝までする」など心理的圧迫を感じさせる発言があったほか、一般質問の中で、事実を誤認させる様な発言が4件、客観的事実が明示されずになされた発言が4件あったとしています。
客観的事実が明示されずになされた発言とされるもの
[9月議会の一般質問で発言された内容の一部]※申し入れ書より
・「本市の民間移譲の募集要項は、民間保育園を虐待する内容となっておりますが、このまま持続するのか、お答えください」
・「根っこの腐った、長崎市政はせっぱ詰まれば、市議会や社会福祉法人を巻き込み陥れる行為にこんなうそをつくのかと驚きでございます」
・「約10年間、うそをついて240万のね、高い料金を取ってます。これは民間移譲時に口頭契約を意図的にたがえた、こども部の土地購入妨害に当たりませんか」
「幼児課長の説明は、こども部の一方的な独裁、独善的な説明であり、法人理事長は虚偽の部分について納得がいかないとされているそうです」
梅本議員「内容的なことは間違ったことは言ってない」
NBCが9月長崎市議会一般質問の映像を確認したところ、梅本議員が大きな声で発言している一部は、市長に対する答弁を求めた時に答弁者が職員だったことに対する抗議でした。自席から「動議!」などと発言し、議会の進行を止めて回答するよう求めていました。
市では6月議会でも梅本議員の「動議」で、およそ50分間議会の進行が止まったことから、市議会の制度上「誰が答弁するかは市側に選択権がある」ことを確認し、議員に伝えたとしています。
また2023年12月議会でも、梅本議員から市長や市職員を揶揄したり、誹謗中傷していると捉えられる発言があったことから、市では議長に対し口頭で再発防止を求めていましたが改善されないことから、今回書面で申し入れたとしています。
梅本議員は申し入れに対し「私はこの中(申し入れ書内)でパワハラと言われていますが、市民に対するパワハラ、こんな物価高騰の中で市民が困っているのに何にお金使ってるんですか?私はそこを強く言いたい」
「私の回答に市長は全く答えてくれない。市長の考えを私は聞きたい」
「私も公人、市役所の職員もいわば公人。議員が市民の代弁しておかしいんじゃないか?と聞いたらきちっと答えるべきだと思っています」
「私は口調が強いかもしれない、パワハラに感じられるかもしれない。
でも私は内容的なことは間違ったことは私は言っていないと思います」
などと話しています。
市議会では、事実確認をした上で各会派の代表者の意見を募り、今後どのように対処するか検討するとしています。
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