先月、「南海トラフ地震臨時情報」が初めて発表されたことを踏まえて、気象庁の森隆志長官は、日頃からの地震への備えを再確認してもらうこと以外に、▼どう行動するかを判断するための情報を提供することや、▼「臨時情報は地震予知の情報ではない」と理解してもらうことを今後の課題に挙げました。

気象庁の森隆志長官はきょう行われた定例記者会見で、先月、初めて発表された「南海トラフ地震臨時情報」について、「認知度の低さが課題だったが、結果的に情報の周知や内容についての一定の理解が進んだ」として、次のように述べました。

気象庁 森隆志長官
「今まで知らなかったものを認知したわけなので、『その(臨時)情報でどうしたらいいんですか』というところについて、戸惑いが多かったというのは事実ではないかと思います」

森長官はその上で、臨時情報が発表されたときに、日頃からの地震への備えを再確認するよう呼びかける以外に、どう行動したら良いか判断するための情報を提供することが課題との認識を示しました。

また、「巨大地震注意の臨時情報」が一部の人々に地震の発生を予知する情報のように受け止められた点を課題に挙げ、“巨大地震の発生する可能性が相対的に高まっていると伝えること”と“地震予知”との違いを理解してもらうことについて、「臨時情報の認知度を上げることよりも難しいかもしれない」と述べ、一連の対応を内閣府と振り返って臨時情報の運用の改善を行う考えを示しました。

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