今回のヒーローは、マイナビ仙台レディースを引っ張るチームのキャプテン・國武愛美選手です。2020年にノジマステラ神奈川相模原から仙台へ移籍。ディフェンダーとしてゴール前を守り、昨シーズンは全試合スタメン出場。

得点も取りたいと意気込んだ去年の開幕戦では、見事ヘディングでチームのシーズン初ゴールを決めるなど、有言実行で勝利に貢献しました。

さらにリーグ随一のギャルとしてSNSでも話題になる彼女ですが、昨シーズンは人生で初めてのキャプテンに。突然の大役に戸惑いも?来る9月15日のWEリーグ・マイナビ仙台レディース開幕戦、2季連続でキャプテンを務めるその思いは。

「ディフェンスの気持ち考えてプレーしろ」でDFへ

マイナビ仙台 國武愛美選手:
「小学校から中学校3年生ぐらいまではフォワードやっていて。自分の中で結構スランプに入った時期があって、そのときに監督から『ディフェンスの気持ち考えて1回プレーしろ』っていうことで、ディフェンスを1回させられた時にすごく楽しくて。相手からボールを取る快感・インターセプトだったりとか、駆け引きが『フォワードより楽しいな』って。監督は当初FWに戻すつもりだったみたいなんですけど、そのまま自分がディフェンスがいいと言ったので、それからはセンターバックです」

地元・熊本で小学1年生のときにサッカーを始めた國武選手。

高校では女子サッカーの名門・日ノ本学園に進学し、2度の日本一を経験。その後プロの道を歩み始めました。

センターバックとは、ゴールキーパーの前に立ちはだかる最後の守備陣。國武選手は一対一で負けないテクニックを強みに、昨シーズンは全試合スタメン出場を果たしました。

マイナビ仙台 國武愛美選手:
「ディフェンスで一番最終ラインだったので、後ろから来ることはほぼほぼないし、(FWとは)見える景色とかやり方みたいなのは全然違くてすごく楽しかったなっていう思いがあります」

人生初めてのキャプテン

仙台に来て4シーズン目となった去年、國武選手に大きな出来事が。それはキャプテン就任、人生で初めての大役でした。

マイナビ仙台 國武愛美選手:
「自分の中でも『キャプテンっていうキャラじゃないだろ』というのがあって。あんまり自分の考えてることは元々言わないタイプではあったので、たぶんマイナビに来る前の自分を知っている人たちにはすごくびっくりされるんですけど。

それじゃ駄目だなっていうのは自分の中であったし。最初は背中で見せるだったり、プレーで引っ張っていくのでいいって言われていて。そうやって気負わずに最初はやろうっていうふうに決めていたんですけど、やっている中で1年通していろいろなことがあった中で、そういう気持ちを声に出してチームを鼓舞して、ということをやっていかないといけないなという気持ちは芽生えてきました」

キャプテンとして臨んだ2023シーズン。

開幕戦ではセットプレーからのヘディングシュートで、チームとしてのシーズン初得点。開幕戦勝利に貢献しました。

チーム激変、最終戦後の國武選手の涙

しかし、その後はなかなか勝ち星を挙げられず、前半戦は負け越し。

そして1月にはコーチ陣の刷新、さらにシーズン終盤の4月に監督交代など変動は激しく、最終結果は5勝6分11敗、12チーム中10位と浮上の糸口をつかめるまま幕を閉じました。

最終戦終了後、インタビューに応じた國武選手は、こらえきれず涙を流しました。

マイナビ仙台 國武愛美選手:
「キャプテンとして、良い結果を求めてやってきたんですけど…。結果に結びつかなかったっていうすごく悔しい気持ちだったりとか」

シーズン終了後、國武選手は自身のSNSにこうつづりました。「色々あった。の、色々の中には、言葉にならないくらいの感情がたくさんあります」

ディレクター:
「あえて言葉にするとどんな感情ですか?」

マイナビ仙台 國武愛美選手:
「本当に何か…、とりあえず悔しい気持ちでしかなかった。(リーグ開幕前の)カップ戦で1勝もできなかったことだったり、なかなか思うように結果が出なかったこともそうですし、3位という目標を掲げて入ったシーズンではあったんですけど。そもそも、そこを目指せるような位置でもなかったし、チーム状況でもなかったし…。いろいろあった中で自分の中で、『何もできなかったな』というのがあって」

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