11日で東日本大震災の発生から13年6か月です。宮城県気仙沼市では、遺族が慰霊碑に手を合わせ、教訓を語り継いでいく決意を新たにしました。

93人が犠牲に…

震災の津波で住民93人が犠牲になった気仙沼市の杉ノ下地区です。
月命日の11日、遺族が慰霊碑を訪れ花や線香を手向けた後、静かに手を合わせていました。

津波で夫を亡くした三浦祝子さん(79):
「私たちは元気で暮らしているよと毎日何とかね。元気でいれば通えるから通い続けたいと思います」

津波で夫を亡くした三浦祝子さん(79)

杉ノ下地区では市の指定避難場所だった高台が津波に飲まれたことから、人的被害が拡大しました。

一方で、住民の命が救われた場所もあります。

命を救ったケヤキとは

語り部 小野寺敬子さん:
「すくっと、一番高い木です。行くと表示になっています」

杉ノ下の高台から500メートルほど離れた旭崎と呼ばれる岬です。
指定避難場所ではありませんでしたが、ここに逃げた住民8人がケヤキの木に登って奇跡的に助かりました。

津波で父親を亡くし、語り部として活動する小野寺敬子さん。
命を救ったケヤキを題材に物語をつくり、8月、デジタル絵本としてYouTube上にアップされました。

住民を救ったケヤキは、1896年の明治三陸大津波の後、植えられたものと伝わっています。

ケヤキの物語が伝えること

物語は樹木の目線から震災当日とその後の出来事を描いています。

語り部小野寺敬子さん(63):
「自然災害は想定したものを超えて人を襲ってくると、東日本大震災の大津波は教訓として教えてくれた。それを次のこれから起こるであろう災害の防災として、ちょっとでもいいので役に立てるよう情報発信できればと思っています」

震災から13年6か月。
語り部やインターネット動画など様々な形で語り継ぐ活動が続いています。

気仙沼市杉ノ下地区では毎月11日の月命日に慰霊碑での語り部が行われていて、年内は10月と11月にも予定されています。

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