不登校を経て現在はフリースクールに通う新潟県内の中学生が、自らの経験を伝える“動画コンテスト”に挑戦しました。
テーマは『学校へ行きたくない君へ』です。
夏休み明けの悩みやすい時期にそれぞれの思いを共有してもらおうと、TikTokなどが2023年から始めた『不登校生動画甲子園』。歌手でタレントの中川翔子さんが審査委員長を務めています。
この“甲子園に”、不登校の小中学生20人が通うフリースクール「学びスペース あうるの森」も昨年に引き続き参加しました。
新潟県長岡市の「あうるの森」では、スタッフらが勉強に付き添ったり一緒にカードゲームをしたりして、学力だけでなく、社会に出ても自立して生活できるような“社会性”の成長もサポートしています。
【NPO法人「学びスペース あうるの森」山田竹紘代表】
「今勉強している子もいますし、ゲームして遊んでいる子とか、話している子とか、本当にいろいろですね…」
今回、あうるの森から『不登校生動画甲子園』のコンテストに参加したのは、堀川しなのさんと大崎陽南さん。中学生です。
2023年は、学校での生きづらさからフリースクールという居場所に出会うまでの経験談を表現し、最優秀作品賞に輝きました。
このときの作品に込めたメッセージは、『学校に行けなくても、きっと居場所はある』です。
≪2023年の作品から≫
「私が学校に行かなくなって1年が経った。本当に辛かった時期もあった…」
【大崎陽南さん】
「登下校中に、私がいるのに、なんかなぜか急に私の悪口言い始めて…。もう行きたくないなとか」
「仲間に入れてくれないとか、なんかなかなか馴染めないんだみたいなこととか、ささいなこと」
【堀川しなのさん】
「自分だけひと回り点数が低かったり、なんで自分はこれ当たり前になのにできないんだろうって思っていたり…」
「このまま学校に行ったら、多分自分は壊れてしまうだろうと思って」
前回に引き続き『不登校生動画甲子園』に参加するにあたって2人は、2024年のメッセージを去年よりもう少し“踏み込んだもの”にしたそうです。
【大崎陽南さん】
「自分のコンプレックスであった“青春”の動画を作りたいなと」
「改めて考えてみたのは青春の定義。定義なんてないじゃないですか。お菓子作ったり、海に行ったり、みんなでゲームしたりするのだって青春だって思って…」
『不登校でも青春ができる!』というメッセージです。
≪2024年の作品から≫
「ある時、お母さんがフリースクールの存在を教えてくれた。勇気を出して出し尽くして行ってみた。そして親友ができた」
【大崎陽南さん】
「大体同じ思いをしていた人がいっぱいいるから、結構なじみやすかったり…」
「なんか結構早く声かけられるようになりました」
【堀川しなのさん】
「あんま周りに言えてなかった、好きなゲームだったり趣味だったりを言えるようになって…。すごく楽しいなって思えるようになって」
― 2人にとってフリースクールとはどんな場所ですか?
【大崎陽南さん】
「第2の家みたいな感じ。みんなすごく馴じんでいるし、本当に家みたいな感じ」
【堀川しなのさん】
「学校でやるような文化祭もできるし、修学旅行的なこともできるし…」
「すごく楽しいです。キラキラしています」
そして8月25日に東京で迎えた『不登校生動画甲子園』コンテストの授賞式…。
「受賞者は『あうるの森』さんです!」
居場所と青春を見つけるまでのストーリー性や、学校に通いづらくなっている子どもたちに勇気を与えるメッセージ性が高く評価されて、“審査員特別賞”を受賞しました。
【堀川しなのさん】
「不登校でも学校に行ってても、好きなことをしたり、友達と話したりしているとき、楽しいなって思えたら、それはもう青春だなっていうのを伝えたいです」
【NPO法人「学びスペース あうるの森」山田竹紘代表】
「動画甲子園だけではなく、日々のあらゆることに対して新しいことにチャレンジして自分ができることを探して日々チャレンジしていってほしいと考えています」
【大崎陽南さん】
「涙出てきた…」
一生懸命頑張ったからこそあふれた涙…。
この動画コンテストを機に、人前に立つことが好きになったという大崎さん。
そして、好きなことをやりながら生きていくことの幸せを知った堀川さん。
それぞれに居場所や青春を探した先に、新たな自分を見つけることができました。
「不登校の私たちでも青春できた!君も勇気を出して!!」
≪2人の作品から≫
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