東京で開催される「世界陸上」は開幕まであと1年です。連覇が期待される女子やり投げの北口榛花選手の強さを支える「人」「もの」に迫りました。

■北口榛花選手を支えた人たち 秘密兵器「斜め椅子」とは?

加藤シルビアキャスター:
やり投げの北口榛花選手はパリオリンピックで見事、金メダルを獲得しました。獲得直後、「シーズンの初めは誰が味方か分からなかったんですけど、ずっと味方してくれる人がいてすごくありがたいです」と話されていました。金メダル獲得の快挙の裏には、ずっと支えてくれた方々がいらっしゃったということです。

北口選手を支えた慶友整形外科病院の古島弘三医師です。古島先生は肘や肩のスペシャリストで、損傷した肘の靭帯に他の腱を移植するトミー・ジョン手術の権威です。過去15年間で約800件の手術を執刀されている先生が北口選手を定期的に診察されていたということです。

身体面・精神面でも北口選手をサポートしていた上野真由美トレーナーです。2017年に出会ってから献身的なサポートを受け続けてきました。北口選手の“お姉さん的存在”で、金メダルを獲得した後の祝勝会では、焼肉を食べるときに2人でお肉を取り合うなどして笑顔が見られました。

東京有明医療大学の小山浩司准教授は、北口選手が以前から悩みだった猫背を改善しました。猫背の影響で肩まわりの可動域が狭くなってしまい、やりを遠くに飛ばすことができませんでした。

猫背に悩む北口選手のために“猫背を矯正する椅子”が開発されました。座面が18度前に傾いているところが特徴的です。これにより、骨盤が前傾して正しい姿勢になるということです。

■北口榛花選手の斜め椅子? “猫背矯正”で金メダルへ

加藤キャスター:
猫背矯正の椅子を用意したので、“Nスタ猫背代表”の南波雅俊キャスターに座っていただきます。まずは普段通り、普通の椅子に座ってください。

南波雅俊キャスター:
背中がちょっと丸まって、腰のところにも空間ができてしまいます。最近、ジムのパーソナルトレーニングに通い始めたのですが、可動域が狭いと言われました。

加藤キャスター:
やはり猫背だと肩まわりにいろいろ負担がかかってきてしまいます。それでは続いて、猫背矯正の椅子に座ってもらいたいと思います。

南波キャスター:
普段通り座ったのですが、疲れを感じることなく自然にスッと座れます。お尻の部分から太もも裏全体が接しているので、下からグッと支えてもらっている感覚で、スマホを見ていても全く疲れません。あえて猫背にしてみると辛く、骨盤が入って前傾姿勢の方が楽になります。

加藤キャスター:
この椅子にはポイントが二つあります。まずは「18度の傾斜」です。傾斜により骨盤が自然と前に18度適切な位置に傾くことが、猫背矯正の一つ目のポイントです。

そして高さが二つ目のポイントです。高さを調整すると、太ももの裏の部分をピタッと合わせて座ることができます。1cm刻みで高さの変更が可能です。脛の長さが個人個人で違うため、1cm刻みで一番ピタッとくるサイズに合わせて座らないといけません。

南波キャスター:
1cmで全く違います。今、靴を履いていますが、脱いだり、靴の底の厚さを変えるだけでも合わなくなってしまいます。

歴史・時代小説家 永井紗耶子さん:
いつも執筆する時に猫背になってしまうので欲しいです。

日比麻音子キャスター:
猫背を直さなきゃと思っていても、無意識のうちに姿勢がまた戻ってしまいます。

永井紗耶子さん:
猫背になると首や肩、腰、頭が痛くなったり、目が疲れやすくなったりするので、持って帰りたいくらいです。

加藤キャスター:
北口選手のために開発された椅子なので、北口選手が通う医院では患者さんに提供されているのですが、一般販売は検討中です。

家で使うときと外で座るときで高さが違うので、北口選手はその時の高さに合わせて、家で使う用、外で使う用と使い分けているそうです。

日比キャスター:
私たちは“寝そべりポーズ”だったらできますね。やはりいかに背筋を伸ばすか、無意識を超えてちゃんと正しく座ることの積み重ねですね。

北口選手の強さの秘密を知れたので、ますます一年後の世界陸上が楽しみです。

==========
<プロフィール>
永井紗耶子さん
「木挽町のあだ討ち」で第169回直木賞受賞
歴史・時代小説家
過去に新聞記者の経験

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。