宮城県気仙沼市の漁港で7月以降、小型船から釣り具やガソリンが盗まれる被害が相次いでいます。

被害に遭った漁業者は憤りや不安を露わにし、県や警察に対応を求めています。
気仙沼市の梶ヶ浦漁港。
内湾の入口にあるこの小さな漁港で、係留中の小型船を狙った窃盗が相次いでいます。

漁師:
「7月頃に1回、ガソリン(盗まれた)。満タン近く入れていたのが半分になっていた」

漁師の男性は、自分の船から燃料のガソリンを盗まれたといいます。

漁師:
「(Q、盗難防止の対策は?)鍵をかけている、いままで鍵なんてかけたことはないんだけど」

地元の漁師などによりますと、窃盗の被害は今年7月以降、梶ヶ浦漁港と隣の小々汐漁港で、少なくとも6隻にのぼります。
また、船を係留するロープが刃物のようなもので切断される被害も…。

被害に遭った畠山茂さん:
「その日に限って左舷側のロープが外れていた。おかしいな、いつもおれがやっているのと違うなと思ったらモノがなかった」

こう話す地元自治会の副会長・畠山茂さんも、船に置いていた釣り具を盗まれ憤ります。

畠山茂さん:
「色々な魚釣りによって、仕掛けが全然違うので太刀魚もやるし、いろいろなことやるので、それに合わせて釣りの仕掛けを買い、準備するので(被害額は)トータルすると10万円くらいになる。」

かつて梶ヶ浦漁港周辺には60世帯ほどが住んでいましたが、震災の津波で壊滅的な被害を受け、住民の多くが移転しました。
震災後は街灯が1基しかなく夜になると、ほぼ真っ暗になるといいます。

畠山茂さん:「(震災後は)家が無くなった、灯りは無くなった。でも船はここにしかつけられない。いつ自分がやられるか不安になっているので、被害を受けている人がいるので、そこを何とか抑制したいと思っている」

畠山さんら地元の住民は、警察や海上保安署に夜間の警戒を求めるとともに、漁業者などで組織する協議会を立ち上げ、街灯や防犯カメラの設置などを県に働きかけていく予定です。

畠山さんによると、梶ヶ浦漁港では週末になると魚釣りに来る人がいて、なかにはごみを放置して帰るといったマナー違反も見られるそう。
漁港を安全に利用するためにも関係機関に防犯も含めた対策を訴えています。

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