震災、原発事故から13年半。福島第一原発のある福島県双葉町に来年度、震災後初めてとなるスーパーがオープンします。建設工事が始まるのを前に12日、安全祈願祭が行われ、2年前に帰還が始まった住民の利便性が向上すればと期待が寄せられています。

JR双葉駅の真向かい、双葉町役場のとなりにある770平方メートルほどの敷地。この場所に、震災後、町内で初めてとなるスーパー「(仮称)イオン双葉店」が建設されます。オープンは来年度中の予定です。

12日は、建設工事が始まるのを前に安全祈願祭が行われ、伊澤史朗町長などが鍬入れをして工事の安全を祈りました。

伊澤史朗町長「住民のみなさんが本当に近距離で買い物ができる環境というのは、非常に町民のみなさんにとっては安心できるような施設だと思います」

双葉町はおととし、双葉駅前など一部の避難指示が解除され、ようやく住民の帰還が始まりました。しかし、9月1日現在、町内で暮らしている人は142人。震災前のわずか2%にとどまっています。

町には、現在食料品や日用品を扱う店が、イオン東北が運営する「移動販売車」とコンビニエンスストア1店舗しかなく、買い物環境の整備が大きな課題となっています。

水津邦治アナウンサー「町営住宅で暮らしていらっしゃる方々の多くは、町の外に買い物に出かけているということです」

去年12月から町営住宅で暮らす富永利徳さん。日用品や食料品は町の外へ買いに行っています。

富永利徳さん「買い物は浪江町か富岡のさくらモールとみおかに行く。便利になると思う」
町営住宅で暮らす人「(スーパーは)楽しみです。やっと近場で、車とかがない人でも買いに行ける所ができるのはすごくうれしくてありがたい」

「イオン双葉店」は町が建物を整備し、イオンが運営を行う「公設民営の方式」で、建物は来年6月に完成する予定です。

店舗イメージ 提供・イオン東北

町では、商業施設の建設で、住民の利便性を確保していきたいとしています。また、国道6号の近くに、飲食店が3店舗入る商業施設の整備も進めていて、今後も住民の要望を聞きながら賑わいを取り戻すためのまちづくりを進めることにしています。

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