コメを出荷した生産者に対して農協が仮払いする「生産者概算金」について、今年産米の目安額が示されました。「まっしぐら」「はれわたり」はともに1万5000円、「青天の霹靂」は1万7100円で、いずれも過去20年間で最も高くなりました。

JA全農あおもりは9日に会見を開き、今年産米の概算金の目安額を発表しました。

過去20年で最高のコメの概算金

それによりますと、いずれも一等米60キロで「まっしぐら」が1万5000円で前の年より4200円、「はれわたり」も1万5000円で前の年より4000円、「青天の霹靂」は1万7100円で2000円高くなりました。いずれの品種も引き上げ額・目安額ともに過去20年で最も高くなりました。

要因について、JAは近年、肥料の価格や燃料費が高止まりしていることに加え、現在、コメの需要が増して品薄になっていることも一定程度配慮しているとしています。

JA全農あおもり 成田具洋 県本部長
「まっしぐらでは4200円の上げ幅は、営農を続けていくための価格帯としては合格点ではないか」

概算金は今回、全農あおもりが示した目安額をもとに各農協で額を調整して正式に決まります。ただ、農家は「今までにはない金額だ」と驚きを隠せないでいます。

驚きを隠せないコメ農家

つがる市のコメ生産者・工藤康記さん
「予想はしていたが、今までにない金額なので驚いています。今まで1万円台で苦しい時代が長く続いていたので、正直にいうとうれしい。価格の優等生に映っていて、世の中の動向に合わせてコメの値段もあがっていって、私たちもしっかり経営していける体系を作っていきたい」

概算金を巡っては、北海道や秋田県などの主要な産地でも2023年より約2割~4割引き上げられていて、今後、新米が店頭で販売された際に、2023年より価格が上昇する可能性が高くなっています。

JA全農あおもり 成田具洋 県本部長
「一定程度消費者にはコメの適正価格はどこなのかを我々は発信していくし、理解していただきたい」

県産の新米は9月下旬から本格的に流通する見通しで、関係者はコメの価格設定に消費者がどう反応するかに大きな関心を寄せています。

つがるにしきた農協 コメ概算金「目安額通り」 「追加払い」も検討

全農県本部が概算金の目安額を示したことを受け、つがるにしきた農協は9日、臨時理事会を開き、全農本部の目安額通りとすることを決定しました。

つがるにしきた農協は、9日午後2時から臨時の理事会を開きました。

コメの概算金は、全農県本部が決めた基準をもとに、それぞれの農協で農家に支払う額を決定します。会議の中では、理事から燃料費などの価格が高騰していることから、概算金を引き上げる声が多く上がったということですが、最終的には目安額通りにコメの概算金を決定しました。

つがるにしきた農協 山中満春 組合長
「農家にしてみれば満足のいく金額ではないのかなと思いますが、庭先販売がうちらでは考えられないような数値できていますので、農家もその金額を聞いていますので、農協としても出来るだけ頑張ったわけですけども、農家には納得してもらって、これからも頑張ってもらいたい」

つがるにしきた農協では、去年産は60キロあたり1500円の追加払いをしていて、今年産もコメの売れ行きが好調だった場合、追加払いで農家の手助けをしていきたいとしています。

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