自民党富山市連は8日、支部長幹事長会議を開き、衆院選富山1区の候補者選考で党員アンケートを中止し、現職の田畑裕明衆議院議員を推すことを決めました。一方、政治資金パーティーを巡って新たな収支報告書の不記載も発覚。田畑議員は報告書を訂正しました。
8日開かれた自民党富山市連の支部長幹事長会議。富山市内の各校下39支部の幹部が出席しました。
会合が始まる前には、田畑裕明議員が出席者1人1人に頭を下げて回る姿も見られました。
自民党富山市連 中川忠昭支部長「田畑代議士からこれまでの経緯や思いを皆さん方にお聞きしていただきたいなと、このように思っているわけでございます。その上でですね、今、当然提案させていただきますが、党員に対して皆さん方の思いを聞いてみたいということでアンケート調査をさせていただきたいと思います」
富山市連は、田畑議員に関する議員アンケートで次期衆院選の候補者とすることに賛否が割れたことを受けて、富山1区の党員およそ6000人対象にアンケートを行う方針でしたが。
中川支部長「われわれ支部長幹事長がしっかり押し上げてきょうがあるわけだと。そういうことを踏まえると、今アンケートなどをとるということはとんでもない話だと。われわれを信じないのかと。信用しないのかということをおっしゃられる方が大勢を占めたわけであります」
一部の支部長からは「信頼できない」という発言があった一方、「12年間の実績を評価しないのか」といった発言が大半で、党員アンケートは中止に。一転、田畑議員を候補者として推すことを決めました。
田畑議員「皆さんこの12年間の私の活動に対して大変温かい声をいただいたというのが実態でありますし、誠心誠意、引き続き国政で私は富山の代表として働けるように、私の政治信条また取り組んできた実績、今後やりたいこと、丁寧に全力で訴えてまいりたい」
ここにきて新たな”不記載”も…
田畑議員を巡っては政治資金パーティーの案内状に「ご入金のみ」と記載したことが寄付の呼びかけに当たるとされ、国会で野党が岸田総理を追及。7月に富山市連から厳重注意を受けていました。
その後、新たな収支報告書の不記載も発覚。田畑議員は去年9月から政治資金パーティー「次世代の医薬品・医療機器産業のあり方を考える会」を開催。関係者によりますと、4回分の収入160万円が収支報告書に不記載だったことを、7日富山市連が常任総務会で報告しました。田畑議員は9月2日に収支報告書を訂正しています。
田畑議員「昨年の秋からはじめて立ち上げた勉強会でございまして、会費制の2万円の昼食勉強会でございました」
田畑議員は、不記載は秘書による記載漏れで、自身の管理不行き届きが原因だったとし、経緯についてこの日の支部長幹事長会議でも報告したということです。
記者「党員のみなさんには具体的に何回でいくらでどういった不記載があったかというところまできょうは…」
田畑議員「きょうご報告申し上げておりませんし、そこまで問い合わせは特段ございませんでした」
記者「それを9月2日に修正していて、どうして3日の常任総務会では報告しなかった?」
田畑議員「きょうご報告申し上げました。9月3日の時点におきましては、適正に記載されているものでございましたので、常任総務会で問われた際に、私のほうからは適正に記載されている旨を申し述べたところでございます」
12年間の実績、パーにするわけには…
出席した党員は─
記者「田畑さんからはどんな説明があったんですか」
出席者「反省と頑張ると。見てくれと」
記者「それ聞かれてどうですか」
出席者「いやそうあるべきじゃないかと思いますよ。12年の実績をパーにするわけにいかないしさ」
出席者「レッドカードだという意見も少数ながらあったんですけど、昔の人たちは田畑を育てたということで地方と中央のパイプ、そのつながり、その方を重視した形ですね」
「田畑氏は相当汗をかかないと…」と注文
記者「収支報告書の不記載の話とかって本人から説明ありましたか」
出席者「詳しいことはね、ちょっとあんまり長くしゃべっていたから分からないんだけど、うん、とにかく反省。反省は反省でしておられた」
一連の富山市連の対応について、自民党県連の宮本光明幹事長は。
宮本光明 幹事長「こういう議論になるというのは、やはり(田畑議員には)第一選挙区の支部長としての責任は痛感してもらわなくちゃいけないと思いますし。決定的に不足しているのは、本人と県議会議員や市議の皆さん、校下支部の皆さん方とのコミュニケーションが全く不足していたことが、今回の要因じゃないかなというふうに強く感じています」
富山市連の決定は受け止めるとしながらも。
宮本幹事長「みんなで推しましょうと決まったからといって、今までのことが全て無くなって、わだかまりが無くなって、一致結束して前へ進めると、そんな甘いものではもちろんないと思います。田畑支部長は相当汗をかかなくちゃいけないんじゃないかなというふうに思っています」
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