能登半島地震の後、環境の変化などで認知機能が低下し、認知症となる高齢者が増えることが懸念されています。このため、金沢大学の研究チームが今、七尾市で高齢者を対象に頭部の詳しい検査を行なって、因果関係を調べています。

金沢大学では認知症の早期発見や、治療法、予防法を確立させるため、2006年から七尾市中島町で認知症に関する定点調査を続けています。さらに2024年4月からは、地震後の環境の変化が高齢者の認知機能にどのような影響を与えているかを新たに調査しています。

七尾市中島町の住民「3月までどこにも出かけなかったので視力も落ちて変だなと思っていた」「夜中に地震が来たらどう逃げるかいつも考えている」

地震により何らかのストレスを抱え続けていると、住民たちは口にします。

研究チームは七尾市中島町に住む65歳以上のすべての高齢者およそ2400人を対象に、アンケート調査で被災状況や震災後の暮らし、病気の有無を調べ、対面での認知機能検査や血液検査、体力測定などを行っています。

頭部のMRI検査を実施し脳内の出血の有無や脳の萎縮状況を調べ、震災の前に行ったMRI検査の結果と比較します。

「海馬の萎縮もないね」

金沢大学脳神経内科学 小野賢二郎教授は…「脳の状態を調べて生活のストレスにつながる因子が一つでも見つけられれば、こういう事に気をつけてストレスを軽減させれれば認知機能、脳の状態を予防することができるのではないでしょうか」

地震が及ぼす認知機能への調査は3年間かけて行なわれる予定で、金沢大学の研究チームでは今後、認知機能を低下させる因子を明らかにし、予防につなげたいとしています。

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