パリオリンピック、フェンシングでメダルを獲得した山口県の岩国工業高校出身、加納虹輝選手の激闘を振り返ります。あの大舞台で、加納選手は何を考え、戦いに臨んでいたのか。たっぷりと振り返ってもらいました。
金メダルの瞬間の実況
「飛び込んだ~加納勝ちました、金メダル獲得」
加納虹輝選手
「やっぱり苦しんだ分だけ、つらい思いした分だけ勝ったときとか、成功したときのその喜びっていうのはもう本当倍になって返ってくるなと今回改めて感じました」
話題の入場シーン本人は「地味」?!
高校時代を過ごした山口県岩国市に久々に戻った加納選手。あの金メダルから1か月。あの時、何を感じて、何を考えて大舞台に臨んでいたのでしょうか。話題になった荘厳な雰囲気の入場シーン。
加納選手
「これ映像で見るとめちゃくちゃすごいっすね、確かに」
小田浩史tysアナウンサー
「これどうなんですか階段降りてるときの気持ちって」
加納選手
「降りている時は、僕から観客席とかが見えないんですよ。ただ階段をただ降りてるだけのような感じで、結構降りてる本人は地味だと感じてます。でもこうやって映像で見るとすごいっすね、すごいですよね」
2点先取で勝利を確信
個人エペ決勝、日本史上初、個人での金メダルをかけた戦いはまず加納選手が立て続けに2本を先取。さい先よいスタートに安心していましたが、加納選手自身も、手応えを感じていました。
加納選手
「最初1点2点取った時点でこれもういけるなっていう感覚があって」
小田アナ
「そこってどういうところで感じるんですか」
加納選手
「2点目取ったあたりから感覚で何となく、その剣を合わせたときの感覚ですね。これいけそうだなって感覚が何となく言葉で難しいけどわかるんすよなんか、これ勝てるっていうのが」
この時点で勝ちを確信していたとは…、トップアスリートにしか分からない感覚です。
加納選手
「もちろん途中で変わったりもしますよ、あれ、やっぱりきついかもとかなったりするんですけど、決勝ではこれなかったですね」
14点目でガッツポーズない理由は?
そして気になったのがこのシーンでした。
小田アナ
「この金メダルに王手をかけた14点目、このときだけ加納選手ガッツポーズしませんでしたよね」
加納選手
「勝ちを確信してたんでしょうね」
小田アナ
「それまで結構よっしゃーって1点取るごとにガッツポーズがあったと思うんですけどもうこの時点で確信してた?」
加納選手
「はいそうですね、確信してると思います」
そして、金メダルへあと1ポイント。
加納選手
「最後の1点は今まで通りでいこうとは思ってましたね。変なことはせずに今まで通り取ってきたポイントでそこだけ集中してやろうと思ってましたね。」
「実感とかも勝った瞬間なんでなかったんですよね。なんかこういうスタンディングオベーションしてますけど、それも僕このとき気づいてなくてちょっとあんまり周り見えてなかったですね」
小田アナ
「その勝ったっていう実感がふとわく瞬間みたいなのは?」
加納選手
「やっぱそれはひとつメダルをかけてもらったときじゃないですかね。表彰式のとき名前呼ばれて、表彰台の上に立ってメダルをもらったときそのときだと思いますね」
団体決勝2点差も「全然いける」
そして2冠をかけた団体決勝はハンガリーとの対戦。日本は終始、リードを許す展開となり18対20のビハインドで試合の行方はアンカーの加納選手に託されました。
小田アナ
「まず2点ビハインドでバトンが渡ってくるわけですよね、あのときってどんな気持ちです」
加納選手
「2点なら全然いけるなと思ってましたし、もう本当に繋いできてくれて本当に感謝でしたね、2点といういう相手のリードで」
言葉通り一時は追いつきましたが、残り30秒で再び2点差に。
加納選手
「30秒あれば十分です。全然全然焦ってないです」
小田アナ
「まだまだもう勝つイメージが」
加納選手
「はいそうですね。」
この言葉通り残り6.98秒で同点へと追いつきます。
加納選手
「これでやっと追いついて次一本勝負だっていう気持ちでいると思います」
延長戦へ気持ちを切り替え
小田アナ
「ここから気持ちは延長戦の方に」
加納選手
「そうですね」
勝負は延長戦へ。
小田アナ
「この1分にも満たないこの時間気持ちの整理みたいなことができますか?」
加納選手
「もちろんできますし、いつものことなんで、フェンシングって、その点取った後、次始まるまで10秒ぐらいしか基本的にはあかないので、その10秒でいかに次何すべきかを頭を回転させて考えるってことが大事ですし、常日頃からやっているのでいつも通りですね」
先に1本取った方が金メダルです。
試合が決まる瞬間の実況
「もう金メダル一択ですよ・・・シクローシだ、シクローシがとったハンガリー金メダル」
悔しい敗戦「相手が上手」
小田アナ
「このシーンも多分いろんなメディアなんかで結構流されてますけど、どうですか見るたびにどういう気持ちになるとかって」
加納選手
「いやしょうがないですね、っていう気持ちです」
小田アナ
「終わった時もしょうがない中にもやっぱり悔しさみたいなのは」
加納選手
「そうですね、悔しさもありましたし、相手選手がここはひとつ上手だったなっていうのは感じますね」
小田アナ
「もう、この本当に1ポイントで金か銀がわかれましたけども何の差だったんでしょうか」
加納選手
「気持ちですね。最後1点はもう相手の方が気持ちの面で多分強気だったりとか、そこは一歩上いってかなって気がしますね」
4年後は「金メダル二つ岩国へ」
一歩届かなかったのは気持ち。加納選手のその気持ちはすでに4年後へと向かっています。
小田アナ
「2028年どういった結果を我々期待していいですかね」
加納選手
「そうですね次個人で金メダルもちろんですけども、団体でも金メダルを獲得して二つ持ってまた岩国市に帰ってこれるように、やっていきたいなと思ってます」
加納選手
「進化できるように取り組んでいきたいとは思います。ただここからどう進化できるかっていうのはわかりませんけど、足りないところはまだあると思うので、そこをまだまだ磨いていけるところは磨いていきたいなと思ってます」
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