日本で3番目にふるさと納税がアツい町、大阪・泉佐野市。昨年度の寄付額は驚異の175億円超え。泉佐野市といえば水ナスと泉州タオルのイメージですが、今一番人気の返礼品は意外なものだといいます。
一番人気は『ハラミ』!投資額は4000万円!?
泉佐野市で創業40年の老舗焼き肉店「バイキング左近」。地元の人から愛される一番人気のメニューがあります。肉厚の牛ハラミ、その名も「泉州元気ハラミ」です。チルドで熟成させた後で秘伝のタレに漬け込み、風味豊かに仕上げたお肉。市から声がかかり、2020年に返礼品として出品をスタートし、今や堂々の一番人気だといいます。
ふるさと納税用に加工場を増設した「アキラ商店」。肉のカットから味付け、パック詰めまでをすべて手掛けています。中にはこんなものも。
(山中真アナウンサー)「立派な大きな機械があります。これはなんでしょう?」
(アキラ商店 松葉口昌二社長)「自動で肉を真空パックにする機械です」
ふるさと納税への出品を機に新たに導入したといいます。動かしてみると。
(山中真アナウンサー)「ひとつひとつ蓋が閉まって。この中で今から真空状態になるわけですね」
全自動であっという間にできあがります。作業の効率化はもちろん、一瞬でパックできるため品質も向上するといいますが…
(松葉口昌二社長)「(Qいくらかかった?)4000万円くらい」
多額の投資ができるワケは?
(松葉口昌二社長)「クラウドファンディングで支援を受けて買えました。われわれにそういう資本力はないので、まず資本ができる想定が『3.0』でいただけるので」
泉佐野市が2020年にスタートさせた「ふるさと納税3.0」。市は地元企業への寄付をふるさと納税で募り、応援する人は市に寄付をします。こうして市に集まった寄付額の一部を補助金として企業に渡します。そして企業は応援してくれた人に商品を届ける、いわば「クラウドファンディング」の仕組みです。
寄付のおかげで機械や冷凍施設など生産力を大幅にアップできただけでなく…
(松葉口昌二社長)「売り上げで5~6倍に成長させていただきました。繁華街の梅田や道頓堀、地元では夢しかない関西空港のフードコートで出展できるようになりました。(Q関空出店は地元企業のあこがれ?)そうですね」
地元企業が活性化!?「ふるさと納税3.0」
この仕組みを活かした返礼品は他にも。泉佐野市のピクルスメーカー「NSW」。市内でとれた野菜を中心に、瓶詰のピクルスを製造してます。
(NSW 西出喜代彦社長)「弊社の一番のおすすめが泉州水ナスのピクルス。野菜のきれいさをできるだけ見てもらえるような瓶詰にすることで、泉州野菜をもっと知ってもらいたいなと」
他にも泉州玉ねぎや自家栽培したハラペーニョなどの変わり種も。11年前から返礼品として出品していましたが、「ふるさと納税3.0」を活用し新たな商品開発に乗り出したといいます。
(西出喜代彦社長)「これがワイン風味で漬けておりまして、これはガーリック風味と、ちょっとピリ辛な要素も入れて」
泉州ナスの「洋風白ヌカ漬ケ」。ぬかごと食べられる白ぬかを使い、新しい漬物の形に挑戦したといいます。開発にかかるお金を寄付金で賄えるのはもちろん、寄付者に一足先に商品を届けることでテストマーケティングにもなるといいます。
(西出喜代彦社長)「新しいチャレンジングな商品開発にすごくぴったりな仕組み。すごくありがたい仕組みだなと思って、使わせてもらいました」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。