パリパラリンピックで車いすテニスが旋風を巻き起こしています。女子ダブルスでは、上地結衣選手・田中愛美選手組が日本勢初の金メダルを獲得、男子シングルスの小田凱人選手は金メダルをかけて、9月7日夜(日本時間)に行われる決勝に挑みます。この選手たちの足元を文字通り、支える企業が浜松市にあります。
快進撃を見せる日本勢の車いすテニス。そんな彼らの足元を支えているのが浜松市に本社を置く「橋本エンジニアリング」です。小田選手と田中選手に車いすを提供しています。
<浜松総局 野田栞里記者>
「軽い」
通常、病院などで使われる車いすの重さは20キロ程度ですが、小田選手の車いすは10キロ程度と半分ほど。その秘密は素材にありました。
橋本エンジニアリングは、バイクの部品などを手掛けるメーカーです。この本業で材料として使っているマグネシウムを活用しています。
<橋本エンジニアリング 橋本裕司社長>
「これマグネシウムなんですけど、めちゃめちゃ軽いです、小指で持てちゃうくらい軽くて」
車いすテニスは、素早く動くことに加え、急なストップなども多く、軽くて丈夫な素材が車いすには求められます。
鉄やアルミよりも固いマグネシウムは加工が難しいのですが、浜松市内の他の企業などと協力し、複雑な形作りに成功しました。
小田選手は左足を引いた状態でプレーするため、本来は必要な車輪をつなぐシャフトを無くすなどの改良を加えています。これもマグネシウムという素材があってこそ。選手の理想を叶えることができたのです。
<橋本エンジニアリング 橋本裕司社長>
「高齢者にもっと使っていただけるような、軽くて強くてかっこいい車いすを作っていきたい」
メダリストを支える町工場が作った車いす。橋本エンジニアリングは車いすテニスで培ったノウハウを今後、より幅広く活用していきたいと意気込んでいます。
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