長かった夏休みが終わり、学校に賑やかな子どもたちの声が帰ってきました。
しかし、実は夏休み明けの今の時期に不登校になってしまう児童・生徒も少なくないといいます。
こうした不登校の子どもたちを支援しようと、一人の男性が立ち上がりました。
子どもたちの居場所を作ろうと奮闘する男性の挑戦を追いました。

男子小学生 健太さん(仮)
「いじめ、いじめがあった。小1から4年間。えげつないほどの不登校になって、ゲームばかりしてたかな」

こう話すのは、男子小学生の健太さん(仮)。
学校に行くことができない、いわゆる「不登校」の状態が続いています。

男子小学生 健太さん(仮)
「精神的なのが、一番きつい。」

小学1年生の頃から「いじめ」を受けていた健太さん。
まずは教室に入れなくなり、相談室へ通うように。
しかし、次第にそれも辛くなり、一時は学校に全く行くことができなくなったといいます。

文部科学省によると、小・中学校における不登校の児童・生徒数は2022年度には30万人近くにのぼり、過去最多を記録。
山陰においても、小中学生の不登校の児童・生徒数は年々増加傾向にあります。

さらに、夏休み明けは生活リズムの乱れなどから子どもたちの心や体に
不調をきたしやすく、不登校が増えるタイミングの一つとも言われています。

こうしたなか、学校に行けない子どもたちのために立ち上がった男性がいます。

大國貴之さん。
今年4月、松江市に学校に行けない子どもたちのためのフリースクールを開校しました。

REわっく 大國貴之さん
「20年くらい前僕がもともと不登校だったんですけど、それからずっと不登校は増え続けている。もともと僕は教員でしたので、不登校の子どもたちが置かれている現状ですとか、そういった部分に少しでも早く対応ができればなと思ったのがきっかけになります」

自身も中学生の時不登校で苦しんだという大國さん。
高校進学を機に、これまで一度もやったことのない野球部に思い切って入ったことで、世界が広がったといいます。

REわっく 大國貴之さん
「監督が結果だけではなくて自分のやってきた過程をすごく見てくださる方だったので、それがすごく自分にとってはありがたくて。
野球自体はすごくへたくそだったんですけど、そういうところを見ていただいてみんなの前で認めていただいたことで、周りの子たちとも関われるようになった」

自分が「居場所」を見つけられたように、子どもたちにも居場所を
作ってあげたい。
そうしてできたフリースクールは、「再び」「ワクワクできることを」という思いを込めて、「REわっく」と名付けました。

REわっくでは、個室ブースやゆったり過ごせるソファなど、子どもたちが好きな場所で好きに過ごせるよう様々な工夫が。

幅広くいろいろなことに興味を持ってもらおうと、課外活動も行っています。

この日は安来市にある精密機械の部品を作る会社の社会見学。

REわっく 大國貴之さん
「学校だけじゃなくてほかでも学ぶ場所があるという意味で、子どもたちの学びの場の選択肢の1つになったらと思っています」

また、単なる学習支援にとどまらない活動にも力を入れています。

男子小学生 健太さん(仮)
「ゲームしてるのが1番好き」

自分の好きなこと、興味のあることを通して学ぶ意欲を伸ばす「マイプロジェクト学習」です。

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