兵庫県知事のパワハラ疑惑などを調査する百条委員会で本人への2回目の証人尋問が行われ、かつての“最側近”の証言と食い違う場面がみられました。

百条委員会の委員
「姫路城のレゴブロックが欲しいと言った、これは事実でしょうか」
兵庫県 斎藤元彦 知事
「欲しいというか知事室に展示できたらいいなということをお伝えしました」

百条委員会の委員
「職員の分まで持ち帰ったカニについては」
兵庫県 斎藤元彦 知事
「香美町に視察に行って、カニのPRをやった時に組合長から持って帰ってくださいと言われた」

百条委員会の委員
「淡路のタマネギは」
兵庫県 斎藤元彦 知事
「タマネギはいろんなところで生産者の方が食べてくださいと話があった」

百条委員会の委員
「洋菓子協会から贈られたホールケーキは」
兵庫県 斎藤元彦 知事
「私が知事になる前からバースデーケーキが贈られていたと記憶している」

さらに追及されたのは内部告発した職員への対応。

自殺したとみられる元幹部は3月に一部報道機関などへ告発した後、4月には県の公益通報窓口にも通報。

しかし、県はいずれも「公益通報」として扱わず元幹部を停職3か月の懲戒処分にしました。

公益通報制度に詳しい 上智大学 奥山俊宏 教授(5日の百条委員会)
「まるで独裁者が反対者を粛正するかのような陰惨な構図を描いてしまった」

証人尋問には知事のかつての“最側近”、片山安孝元副知事も出頭。一連の「告発者捜し」について、こう証言しました。

片山安孝 元副知事
「誰が(文書を)出したのか、どういう目的で出したのか、知事から『徹底的に調べて』と言われた記憶ある」

告発文書に名前が挙がっている片山氏自身が知事の指示のもとで行った「告発者捜し」、問題はなかったのでしょうか。

百条委員会の委員
「告発文に書いてある当事者の人が文書を作成した人を捜すというのは告発を握りつぶそうとしていると感じられるが、そういう考えはないですか」
兵庫県 斎藤元彦 知事
「そういう認識はない、告発というよりも誹謗中傷性の高い文書を作成したということ」

今回の尋問では知事と職員らで証言に食い違いがあることが浮き彫りになりました。

百条委員会の委員
「4月上旬、人事課から元県民局長の処分は『公益通報(の結果)を待ってから処分すべき』と進言受けていますよね」
兵庫県 斎藤元彦 知事
「私の認識はそれを受けたことはないです。ないと記憶している。公益通報を待ってからやるべきだという進言を受けた記憶はないです」

また、片山氏は「職員が第三者による調査を知事に進言した」と証言しましたが…

百条委員会の委員
「第三者委員会で調査すべきと進言された記憶は本当にないのか」
兵庫県 斎藤元彦 知事
「すべきだと進言された記憶はないですね」

百条委員会の委員らは証言に食い違いがある点について「引き続き調査して明らかにしていく」としています。

百条委員会の委員
「トップとして道義的責任を感じているか、感じていないか」
兵庫県 斎藤元彦 知事
「道義的責任が何かがわからないので明確にコメントできないが、いまの県政の状況を招いていることは県民に深くお詫びしたい」
百条委員会の委員
「道義的責任を感じているか、感じていないか、お答えいただけない?」
兵庫県 斎藤元彦 知事
「道義的責任が何かがわからない」

県議会最大会派の自民党は来週木曜(12日)、知事に辞職を申し入れることを決定。全会派に賛同を呼びかけています。

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