12月2日に現行の健康保険証の新規発行を廃止し、マイナ保険証に原則一本化する政府方針に対し、医師ら約120人(主催者発表)が6日、現行保険証の存続を求めて、東京都千代田区のデジタル庁前で抗議活動を行った。

デジタル庁に向かってシュプレヒコールを上げる参加者たち=東京都千代田区で

◆「従来の保険証を残せば良いではないか」

抗議には、全国労働組合総連合(全労連)などでつくる「マイナンバー制度反対連絡会」や、全国の開業医らで構成する「全国保険医団体連合会(保団連)」、市民団体「共通番号いらないネット」などの各団体のメンバーが集まった。 全労連の石川敏明副議長は、マイナ保険証を持っていない人に資格確認書を交付する代替措置に触れ、「保険証と同じように使えるなら、現在の健康保険証を残せば良いだけではないか」と批判した。 保団連の住江憲勇(すみえ・けんゆう)名誉会長は「今もマイナ保険証で(どの健康保険に加入しているかの)資格確認ができないトラブルが起きている」とし、「マイナ保険証への一本化は医療の現場からも許されない」と訴えた。 最後には、デジタル庁に向かって「マイナ保険証の押しつけ反対」「今まで通り保険証を残せ」「保険証廃止を撤回しろ」とシュプレヒコールを上げた。

◆資格確認書で代用できる

12月2日に現行の健康保険証が廃止された後も、発行済みの保険証は最長1年間は使用できる。マイナ保険証を持っていない人には全員、申請しなくても保険証の代わりに使える「資格確認書」が届く。 厚生労働省が5~6月に行った現行の保険証廃止に関するパブリックコメント(意見公募)には5万3028件が集まり、多くが廃止に反対や批判的な意見だった。 各団体は10月にデジタル庁と厚生労働省前でも抗議活動を予定している。(マイナ保険証問題取材班) 

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