宮崎県日南市で震度6弱を観測した地震からまもなく1か月となります。
初めて発表された「南海トラフ地震臨時情報」について、2回にわけて検証します。

「ふだんより大規模地震の発生する可能性が高くなった」という情報を県民はどう受け止め、行動したのか、取材しました。

8月8日午後4時42分、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震

8月8日午後4時42分、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生。
日南市で震度6弱、宮崎市や都城市などで震度5強を観測しました。


(気象庁 束田進也 地震火山技術・調査課長)
「議論の結果、南海トラフ地震臨時情報『巨大地震注意』を発表しております」

地震に伴って気象庁は、南海トラフ地震の想定震源域で大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっているとして、南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」を発表しました。

(南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会 平田 直 会長)
「基本的には、巨大地震注意の時には、日頃からの地震への備えを再確認してください」

今回初めて発表された臨時情報 街の人はどう受け止めた?

2019年に運用が開始された南海トラフ地震臨時情報。

去年、国が行ったアンケート調査では、「臨時情報を知っている」と答えた人は3割足らずでした。周知が進まない中、今回初めて発表された臨時情報をどう受け止めたのか、街の人たちに聞いてみると・・・


(女性)
「(臨時情報はこれまで)知らなかった。特にみんないつも通りの感じでした」
(男性)
「そんなに気に留めていなかったから、べつに。ふだん通り」


ふだん通り過ごしたという声が聞かれた一方、備えを再確認したという人も。

(女性)
「(臨時情報は)知らなかった。家族の連絡先とか、改めてメモしておかないといけないと思った」
(男性)
「車とかで移動するときはいろんな備品を車に乗せて、いつ止まってもいいように待機できるように移動しました」

2L入りの飲料水 地震発生翌日はふだんの2倍の在庫を準備も

備えの再確認が呼びかけられる中、需要が高まったのが防災備蓄品です。

(まつのアミュプラザみやざき店 松野圭太店長)
「地震直後においては、やはり、食べるもの、また飲む物の確保を皆さん求められた。特に飲料水、2L入りの飲料水だったりとか、あとはパックご飯、温めるだけで食べるご飯だったり、レトルトカレー、その他レトルトもの、火を使わなくていいような食べ物、また、カップラーメンなど、そういったところがよく売れました」


宮崎市内でスーパー4店舗を経営する「まつの」では、2リットル入りの飲料水を地震発生翌日はふだんの2倍の在庫を各店で準備しましたが、当日中に完売した店舗もあったということです。

全国に防災関連需要の高まりが見られた点が大きな特徴

市場調査会社のインテージによりますと、地震発生翌日の先月9日は、県内だけでなく全国でも飲料水の推計売上高が急増。

前の年の同じ時期との比較では、四国で4.3倍、東海で3倍、近畿で2.5倍、九州で2.4倍となりました。

ほかにも、パックご飯類や乳児用ミルク、トイレットペーパー、それに生理用品などが全国で2倍近く売り上げが増えたということです。


(インテージ市場アナリスト 木地利光さん)
「災害が起きた近辺の地域でしか従来は防災関連の販売は動かないのだが、今回は東海や四国といった全国に防災関連需要の高まりが見られた点がその大きな特徴としてあげられる。日常的に使うものが結構幅広く購入されたところがあったので、そういう意味では、通常の台風以上の危機意識をもって、災害に備えた動きはあったのではないかと見ている」

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