去年、埼玉県三郷市の運送会社で経営者の男性を包丁で刺し、殺害した罪に問われた男の裁判で、さいたま地裁はきょう、懲役17年の判決を言い渡しました。

起訴状などによりますと、埼玉県川口市の建設作業員・内田洋輔被告(30)は去年8月、三郷市の運送会社の敷地内で会社を経営していた大川幸一郎さん(52)の背中や胸などを複数回、包丁で刺し、殺害した罪に問われています。

内田被告と大川さんは事件の前から知り合いで、大川さんの運送会社に雇われる予定だったということです。

今月2日の初公判で、内田被告は「間違いありません」と起訴内容を認めていました。

検察側はその後の裁判で、「内田被告は大川さんから生活費などの援助を受けていた」「大川さんから返済を求められ、返済から逃れるため殺害を決意した」と動機を指摘し、「犯行は悪質で、強固な殺意に基づく」として、懲役18年を求刑していました。

一方、弁護側は「返済を求められ、追い込まれていた」と主張していました。

きょうの判決で、さいたま地裁は「被告は無防備な大川さんを背後から強く刺したうえ、逃げる大川さんを追いかけ、馬乗りで繰り返し突き刺した」「強固な殺意に基づく、危険で執拗な犯行」として、懲役17年を言い渡しました。

内田被告は、裁判長をまっすぐ見つめ、淡々とした様子で判決に耳を傾けていました。

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