国内のホテルでは今、宿泊客のニーズに合わせて業態が多様化しています。そこで秋の行楽シーズンに向けて、大分県内にある人気ホテルの最新事情を取材しました。

“ホカンス”にぴったり

山に囲まれた自然の中に広がる大分県別府市の城島高原。ゴルフ場や遊園地は、子どもから大人まで1日中、楽しめます。このほか、夏休み中の家族に人気を集めたのが城島高原ホテルのロイヤルスイートルームです。

城島高原ホテル宿泊予約 一丸有希さん:
「ロイヤルスイートルームは、130平米ございまして、通常の和洋室2部屋分の広さとなっています」

一番豪華なこの部屋は、和洋室や専用のジャグジーバスがついています。ホテルでバカンス気分になれる「ホカンス」を楽しめるとあって、宿泊者は全国各地から訪れています。

一丸有希さん:
「食事をして温泉に入って遊園地で遊んでゴルフをしてという風に、十分ホカンスとして楽しめると思います」

全国の旅行者数が6975万人となった今年の夏。大分県のまとめでは、県内の宿泊者数は7月で約40万2000となり、中でも外国人客はおよそ7万8000人、去年の7月から4割以上増えています。

外国人に人気「アパートメントホテル」

別府市にある「グランドベースイオラニ」。一軒家のように見えますが、中に入ると7つの客室があるホテルです。

(八尋記者)「アパートメントホテルの特徴がこちらのキッチンです。引き出しを開けてみると食器や箸フォーク、調理器具まで揃っていてホテルなのに自分たちで料理することができます」

自宅のようなホテルをコンセプトにしているため、部屋にはキッチンや洗濯機などが完備。外国人の長期滞在や割安となる大人数の宿泊でよく利用されています。

NextSTAYホテル運用部統括マネージャー 稲永涼平さん:
「50パーセントが日本国内から。残り半分がインバウンドで占めているイメージです。インバウンドの方は、1か月といったロングバケーションで来ていて、ホテルに荷物を置いて、ほかの県に車で行って帰ってきて、洗濯をしてパッキングをして次の場所に行くとか、結構使い方は私たちの想像と違って面白い」

コンテナ型“動くホテル”登場

中津市におととしできた「HOTELR9 TheYard」は、建築用コンテナ1台を1客室としたコンテナ型のビジネスホテルです。

比較的低料金ながら、部屋は普通のホテルと同様、ベットやバスタブ、トイレなどがついています。そしてカレーやおかゆなど好きな弁当から1つを選べる朝食サービスも充実しています。

そして、最大の特徴がトラクターにつなげばレスキューホテルとして災害現場に出動できます。

東日本大震災の経験を経て、建築用のコンテナメーカーが“動くホテル”を開発。これまでに全国で7度の出動を経験しています。

デベロップ広報担当 麻生川佳奈さん:
「自治体の要請で出動し、現地で上下水道、ガス、電気といったインフラに接続することができます。最短3日から1週間程度で運用が開始できます。平時は快適なビジネスホテルとしてみなさまにご利用してもらい、災害時には避難所として使え、地域の皆様の安心安全に寄与するホテルを目指したい」

新型コロナの5類移行による旅行客の増加に伴い、様々なニーズに合わせたホテルの形態が広がりを見せています。

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