台風10号が県本土に接近した先月29日、鹿児島市の鹿児島医療センターでおよそ2時間にわたり停電が発生していたことがわかりました。停電の間、ナースコールが使えなくなり、今も一部の手術を見合わせるなど、影響が続いています。
(記者)「台風による停電からおよそ1週間経ちましたが、影響が現在も続いています」
鹿児島医療センターによりますと、停電は、台風10号が接近していた先月29日午前4時半ごろに発生し、院内の自家発電機が作動しなかったため、およそ2時間続きました。
当時、病院は台風で休診し、およそ320人の患者が入院していました。
人工呼吸器の患者は、呼吸器自体にバッテリーがあるため作動していましたが、ナースコールが使えない上、入院患者の心拍数などをチェックするスタッフルームのモニターも見られなかったということです。
自家発電機が作動しなかった原因について、医療センターは「発電機を起動させるバッテリーが劣化していた」とみています。今年5月の点検で劣化を確認し、交換を検討していましたが、「想定以上に劣化が早かった」としています。
センターは事態を重く見て、東京の国立病院機構本部に当日報告し、全国の国立病院で情報を共有したということです。
現在、一般の外来は通常通り受け付けていますが、自家発電機が使えるようになるまでは、心臓や脳などの高度な手術を一部、見合わせています。自家発電機は今週中に復旧させ、来週9日から通常の診療体制に戻る見込みです。
田中康博院長は「今後このような事態が再発することがないよう、設備の点検や改善に一層努める」とコメントしています。
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