先祖の魂が戻ってくるとされるお盆に、震災で犠牲になった人たちを偲びます。能登半島地震の爪あとが未だ残る被災地の石川県珠洲市で、お盆の時期に願いや希望が書かれた夢ちょうちんが飾られました。

飾られた“夢ちょうちん”

企画したのは珠洲で暮らす若者たち。ふるさとへの思いが夏の夜空を照らします。

手書きのちょうちん作り…過疎地に立ち上がった“若者チーム”

8月11日。
珠洲市飯田町(いいだまち)に灯った、色とりどりの光。カウントダウンに合わせて点灯したのは、希望や願いが書かれた「夢ちょうちん」です。

企画したのは、元日の地震のあと珠洲の若者たちが作った団体“能登半島地震~未来を担うわたしたちへ~”。代表を務めるのは珠洲市飯田町に住む真脇魁さんです。

珠洲市に住む真脇魁さん

真脇魁さん「すごくやっぱ、まわりの人が元気づけられることになったかなと思う」

真脇さんの自宅は、元日の地震で家じゅうの家具が崩れ落ちる被害を受けました。また、海のすぐそばに建てた兄の家は津波に飲まれました。

被災した自宅(提供:真脇さん)

震災直後、真脇さんと同級生の記者とのやりとりです。

「珠洲、好きけ?」

記者「珠洲、好きけ?」
真脇さん「珠洲は大好きやね。この土地から離れるのが嫌というか、一方で若い人たちは多分残らんやろうし」

同級生の記者とやりとりする真脇さん

真脇さんたちは、これまで、能登に暮らす子どもたちの笑顔を取り戻そうと、ライブや運動会など様々なイベントを開催してきました。

7月16日。真脇さんはちょうちんに希望や願いを書いてもらうため、49人が身を寄せる避難所を訪れました。

真脇さん「こんばんわ~」
避難所の女性「は~いご苦労様、どうぞ上がってくださ~い」
真脇さん「夢ちょうちんと言っていて、夢とか希望を1人一個ずつ書いてほしい」

住民らに説明する真脇さん

夢ちょうちんプロジェクトに参加する条件は「能登を愛する人」であること。

集まった600個のちょうちん…何が書かれている?

Q.何を描いた?
子どもたち「見附島」「甲子園出場と書きました」
Q.「長生きします」と書かれているが?
住民「誰が書いたがや?」

「長生きします」と書いた住民

「笑顔が無かったり、やり場のない気持ちを聞くことが多いので、笑顔が多くなると良いな」「県外に避難している方たくさんいるし早いことこちらの状況が良くなって帰ってくるのを待ってますという気持ちですかね」

珠洲市のシンボル“見附島”を描いた子ども

地元住民やボランティア、北海道から沖縄まで600個以上のちょうちんが集まりました。

8月11日、点灯式当日。

真脇さん「提灯の展示作業をしていきたいと思います。よろしくお願いします」

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